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eGFR(推定糸球体濾過量)
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eGFR estimate glomerular filtration rate

■eGFR(推定糸球体濾過量)とは...
 ざっくりと説明いたしますが…、尿は腎臓の糸球体というところで血液を濾過して作られます。この濾過される量をGFRといい、これを腎臓の機能として評価します。
 クレアチニンは筋肉がエネルギーとして使ったあとに出てくるゴミのようなもので、毎日決まった量が腎臓から捨てられます。 腎臓に障害があると濾過量(GFR)が減少します。クレアチニンは濾過されずに体内に溜まってきます。このクレアチニンが増加する程度からGFRが求められます。
 ただし、クレアチニンは体の大きいひと(正確には、筋肉量の多いひと)ほど多く出てきますから、正確なGFRを求めるには体の大きさを考慮しなければなりません。 そこで、年齢とか性別を考慮していますが、それでもアバウトなGFRであることに変わりはありません。それで推定GFR(eGFR)というのです。 これにより慢性腎臓病を早期発見し、早期に治療を開始することができるようになります。

正確なGFRを求める検査としては・・・
 イヌリンクリアランス(ゴールドスタンダード)、シスタチンC、内因性クレアチニンクリアランスなどがあります。いずれも蓄尿をしなければならず、 正確さを期するため検査手技が煩雑で、たくさんの患者さんを一度に検査することが難しいため利用が限られているのが現状です。

 当院中央検査部では、日本腎臓病学会が2008年5月30日に発表した次の式を採用しています。

 男性eGFR(ml/min/1.73m2) = 194 × [年齢]-0.287 × [CRE]-1.094
 女性eGFR(ml/min/1.73m2) = 男性eGFR × 0.739

計算してみましょう
性別: 、年齢:才、 血清CRE:mg/dL

 ・・・>  ml/min/1.73m2

■eGFRの評価
病期 eGFR 重症度 診療計画

≧90 正常 CKDスクリーニング
≧90 腎障害有 リスクを軽減する治療
60〜89 軽度 CKD進行予測
30〜59 中等度 治療する
15〜29 高度 透析or移植を準備
<15 腎不全 透析or移植
5D 透析 透析期 透析or移植
 eGFR値からCKD(慢性腎臓病)のだいたいの重症度が分かります。この重症度に応じてある程度の治療方針が決まります。
 右表はCKDのステージ分類を簡単に書いたものです。詳しくは日本腎臓病学会サイトのCKD診療ガイドラインをご覧いただきたいと思います。
 ちょっとややこしいのは、eGFRからみた腎機能の正常域は90以上[ml/min/1.73m2]ですが、他の腎障害を示唆する所見(検尿の異常や画像所見の異常、血液異常、病理所見)が見られる場合はCKDとして治療を開始します。 eGFRは、CKDを簡便に、早期に見つけるための指標のひとつであるということです。CKDを早期に見つけることで、腎臓病や他の循環器病(心臓病、脳疾患など)をはじめとする関連疾患のリスクを軽減し、あるいは重症化を遅らせることが出来ると期待されています。 右表の見方ですが、下にいくほど重症度が増し、ステージ3ではCKDの合併症考慮して治療します。ステージ4では、いよいよ腎臓の働きも悪くなり、透析や腎移植を考えるようになります。 透析がはじまると無条件にステージ5D、移植患者ではGFRに応じたステージにTを付けて表します。ステージ1、2の段階で治療を開始して重症化しないようにしたいわけです。そのための指標がeGFRです。

■薬物治療におけるeGFRの注意
 腎機能評価(糸球体濾過量=GFR)が血清CREから簡単に推定できるのであれば、これ(つまりeGFRの算出値)を薬物投与量調整のために利用できるのではないかという発想が出てまいります。 この場合、このeGFRをそのまま用いるのではなく、体表面積を補正しないeGFRを用いることが必要になり注意が必要です。詳しくはコチラをご覧下さい。

■測定方法
 血清CRE:酵素法
 これと、年齢、性別から計算して求めます。

茶色 2ml
c8000 c16000 冷蔵
  • 生化学分析装置 TBA-c8000、TBA-c16000で測定しています。
  • 検体は冷蔵で保存します。
※実際は色々な所見を参考に診断をします。よく分からない場合には医師によくご相談ください。
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