トップページへ
【市民公開シンポジウム】「脳卒中を知らんにゃあ、いけんじゃろう!」
【脳卒中予防のあれこれ、本当に効果があるの?】
トップページ第13回講演会>脳卒中予防のあれこれ、本当に効果があるの?>
【これって脳卒中? 自己診断のコツと対処法】 ・ 【脳卒中はどこまで治せる? 最先端治療と限界】

豊田:
(写真)司会:豊田章宏さん:クリックすると紹介ウィンドウが開きます
司会:豊田章宏さん
中国労災病院
リハビリテーション科部長
 最初にお願いがあります。携帯電話をお持ちの方は、マナーモードにしていただけますか?会場内喫煙はもちろんダメでございますし、飲食もご遠慮ください。よろしくお願いいたします。
 それでは今日のパネリストをお迎えします。どうぞお入りください。
− パネリストさん、すぐに出てこない −
 お囃子がないとだめでしょうか。どうぞどうぞ・・・
− パネリスト登場 −
 今日は、私、フリーに動き回って進行していきたいと思います。テレビなんかで、『やしきたかじんのそこまで言って委員会』とか、『行列ができるなんとか…』という番組がありますね。 今日は皆さん、そんなイメージで見てください。
 そういうバラエティ番組ですと席順が決まってまして、手前がレギュラー席になります。 地元代表、中国労災の山根先生です。詳しいプロフィールは手元のプログラムをご覧下さい。 それから同じく脳外科で国立呉医療センターの大庭先生です。 そして心臓関係では共済病院の友弘先生。頭と心臓とは関係ありますからね。 そして大槻先生、いま電車に乗って向かっております。 実は、尾道で別の講演がありまして、ちょっと遅れてます。必ずたどり着きますので気長にお待ちください。 それからこういう番組ではここアイドル席になっております。中東先生です。済生会広島病院の栄養士さんです。 それからおクスリの話も欠かせません。呉の薬剤師会理事をされています中嶋先生です。 バラエティでは色物の席になるんですけれども看護代表としまして呉大学の松井先生です。
 以上のような豪華なメンバーでお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 では、最初のテーマ。脳卒中にどんなものがあるか…皆さんご存知ですか。脳出血とか、脳梗塞とか、いろんなタイプがありますけど、まずまとめたスライドを見ながら皆さんのご意見を聞きたいと思います。 データマンの寺澤さん、よろしくお願いします。
寺澤:
スライド・「脳卒中は脳の血管に起こる病気です」(クリックすると拡大表示します)
スライド・「脳卒中は脳の血管に起こる病気です」
(クリックすると拡大表示します)
 脳卒中は脳の血管に起こる病気です。脳の血管が急に破れたり、あるいは詰まったりして、脳の血液の循環に障害をきたし、さまざまな症状を引き起こします。つい今まで元気だった方が急に倒れてしまう…そういう病気です。
 脳卒中には大きく3つのタイプに分けることができます。ひとつは血管が詰まるタイプで脳梗塞、それから脳の中の細い血管が破ける病気で脳出血、それから、くも膜下出血があります。
豊田:  皆さんよろしいですか? 血管が詰まる病気と、血が出る病気があります。血が出る病気の中には、頭の中に血の塊ができる脳の出血と、表面に出血するくも膜下出血のふたつがあるというお話です。
寺澤:
スライド・「血管が詰まるタイプと破れるタイプ」(クリックすると拡大表示します)
スライド・「血管が詰まるタイプと破れるタイプ」
(クリックすると拡大表示します)
 脳卒中を起こされた患者さんの頭のCT写真です。出血は白い影として映ります。血管が詰まる脳梗塞は逆に真っ黒い影になります。どこの血管が詰まって、どれくらい脳がやられるかによって大きさはさまざまです。
 脳梗塞はさらに3つに分類されます。軽いタイプのラクナ梗塞、それからアテローム血栓性脳梗塞、それから心臓と関係している心原性脳塞栓症です。
豊田:  血管の詰まり方によってタイプが3つあるということですね。症状が軽い、楽だからラクナって言うんじゃないですよ。 アテロームはある程度太い血管、心原性は心臓が原因になってる…心臓から血の塊がポーンと飛んで脳の血管が詰まってしまう…その3つに分かれるってことですね。 この辺は内科の先生に聞いてみましょう。友弘先生どうなんでしょう。心臓から脳梗塞になる人って結構いらっしゃいます?
友弘:  はい。心臓の病気をもっていて脳梗塞を合併していらっしゃる方は多いと思います。
 動脈硬化で脳梗塞を起こすアテローム血栓性脳梗塞ですが、心臓の周りにある冠状動脈というのが動脈硬化を起こし血管が詰まって起こる心筋梗塞と、まったく同じ原因で起こっていると考えられます。 心臓と関連のある心原性脳塞栓症は、心房細動という不整脈がある患者さんによく起こるタイプの脳梗塞と思います。
豊田:  血管が詰まるということは皆さんお分かり頂けたと思いますが、血管の大きさによっても違うんですね。それから血管は体全部一緒っていうことですね。 頭だけじゃなくて心臓も、どこも、足の血管なんかはどうなんですかね?
友弘:  閉塞性動脈硬化症といって足の血管が詰まる方がおられます。やっぱり糖尿病の方とかに多いんですけれども、それで足を切断したりする方、結構おられます。
豊田:  なるほど。…あ、いま登場されましたね。大槻先生、ついでにご挨拶を…。あの、皆さんひとり1曲ずつをやられてましたので・・・(笑)
大槻:  遅れました、すみません。広島大学病院の大槻です。今日は一緒に勉強していきましょう。よろしくお願いします。
豊田:  1曲はウソなんですけれども、いまですね、脳卒中のさわりの部分から脳卒中の中に大きく血管が詰まる脳梗塞と脳出血がありますよという話を皆さんに伝えているところです。 いろいろなところの血管がボロボロになってくると、頭も詰まれば足も詰まれば心臓も詰まる可能性があるというところまでお話していたところです。次へいきましょうか。原因についてです。
寺澤:
(写真)寺澤英夫さん:クリックすると紹介ウィンドウが開きます
データマン:寺澤英夫さん
中国労災病院
神経内科医長
 脳梗塞のうち動脈硬化で血管が狭くなって起こるものに、ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の2つがあります。ラクナ梗塞というのは、脳の中の細い血管で起こるもので、 太い血管で起こるものをアテローム血栓性脳梗塞といいます。動脈硬化によって血栓という血の塊が血管の中にできて血管が狭くなります。 そして血管が詰まってしまうとそこから先の脳に血液が流れなくなって梗塞が起こります。動脈硬化によって血の塊ができる原因で一番多いのが高血圧です。 高血圧のほかにも喫煙、糖尿病、コレステロールとか中性脂肪が高い状態の脂質異常症といったものが動脈硬化の原因になります。
豊田:  動脈硬化っていう言葉よく聞かれると思いますが、皆さん、動脈硬化って言われた方いらっしゃいますか? そろそろ動脈硬化きたかねーとかね、物忘れとはちょっと違うか。 糖尿病、高血圧、皆さん結構あると思いますよね、ちょこちょこと。動脈硬化って結局血管が細くなってるんですかね? そこへもって詰まる。大槻先生、動脈硬化は詰まるほかに、出血の原因にもなるんでしょ?  なんで同じ動脈硬化で片方出血したり、片方詰まったり、どっちかにしてくれーって思いますよね。どっちの予防したらいいんだろうと。この辺の関係はどうなんでしょうか。
大槻:  動脈硬化という言葉出てきましたね。動脈というのは心臓から体全体へ行く血液の管(くだ)のことをいいます。動脈硬化はその管が硬くなるということを意味します。 誰でも歳いくと硬くなるんですね。1年たてばたつほど硬くなるんですけれども、血圧が高くなったり、コレステロールのバランスが悪かったり、あと糖尿病があったりタバコ吸ったりすると、ひどく硬くなりますよということになります。 そして管が狭くなって詰まる病気になるんですけれども、ひとによっては、同じ動脈硬化でも血圧がかかり過ぎるて細い血管の一部がぷくっと膨れて出血を起こすことがあります。 だから同じ状況でも両方起きることがあります。とくに血圧の高い人は、そのちっちゃい1ミリ(mm)以下のぷくっとしたのが出血することがあるんですね。なかなか難しいと思います。
豊田:  水道管がもろくなっているところに高い水圧がかかると破れたりするようなもんですね。またあとで血圧の話が出ると思います。続けてデータを出してみてください。
寺澤:  脳梗塞でもうひとつのタイプが心原性脳塞栓症です。文字通り心臓に原因があって脳の血管を詰まらせてしまう病気です。 心臓あるいは大動脈にできた血栓が血液の流れにのって脳まで運ばれてきて脳の血管を詰まらせてしまう病気です。 この原因で一番多いのは心房細動という不整脈の一種です。他にも洞不全症候群、心筋症、心臓弁膜症などの心臓の病気で心臓の中にできた血栓が脳の血管を詰まらせてしまって脳梗塞になってしまうことがあります。
豊田:  さっき友弘先生にお話を伺ったんですけれども、大槻先生、頭の脳梗塞ってどれくらいあるもんですかね?  心臓の悪い方はやっぱり心臓だけじゃなくて頭の心配もしなければならないということになりますね。 不整脈がある人が多いということですが、頻度的にはどれくらいあるもんなんですかね。難しいです?
大槻:  ・・・・・・
豊田:  大槻先生〜。起きてはりますか。
大槻:  う〜ん。(苦笑)
豊田:  難しい質問で知らん顔してましたね、いま。
大槻:  心臓の専門の先生が今日はおいでじゃないんですね。
豊田:  お隣り(友弘先生)です。
友弘:  どのくらいの割合かというのは私分からないのですけど、循環器で心房細動という方は非常に多いです。心房細動の方は、かなりの確率で脳梗塞を起こしてくると思います。
豊田:  心房細動って不整脈ですよね。ただ脈が飛ぶっていうだけじゃなくて、いろいろな不整脈があって、どういう方が多いんです?
友弘:
(写真)友弘康之さん:クリックすると紹介ウィンドウが開きます
パネリスト:友弘康之さん
呉共済病院
循環器科医長
 そうですね。自覚症状的には動悸ですね。急に動いたときに動悸が激しいとか、夜間とかじっとしてても動悸が起こったりします。 突然起こる発作性の心房細動というのがありまして、普段正常な脈を打ってる人が突然心房細動になる方がおられます。 そういう方もやっぱり脳梗塞を起こす率が高いというふうに思っております。心電図がたとえば健康診断で正常であったとしても、動悸なんかが起こってる方はもしかしたら心房細動を起こしている可能性があります。 ですから、そういう方でもやっぱり脳梗塞を起こすリスクがあると、かなり注意しないといけないですね。
豊田:  ドコドコって動悸がする人はいっぺん病院に行ってみたほうがいいかもってことですね。
友弘:  そうですね。とくに高血圧とか糖尿病とか、そういうものを持ってる方はなりやすいと言われております。何にもない若い方というのはならないんですけれども…。
豊田:  べっぴんさん見てドキドキするのは関係ない?
友弘:  そうですね、その動悸は関係ないですね。(笑)
豊田:  分かりました。お歳とってくるとこの心房細動は増えてくるんでしょうか?
友弘:  そうですね。年齢がいけばいくほど増えてくるということで、病気というよりも、一種の加齢現象とも言われています。高齢の方はかなりの頻度で持っておられると思います。
豊田:  これはもう防ぎようがないですね、歳をとってきたらみんなだんだん増えてくるんであると…。
友弘:  そうですね。高血圧から心房細動になることが多いので、高血圧の方はしっかり治療しておくということだと思います。
豊田:  分かりました。じゃあ続けて、その問題の高血圧ですね。
寺澤:  次に、脳の血管が破れるタイプの脳出血の最大の原因も高血圧です。さきほど動脈硬化でも高血圧が出てきましたけれども、 大槻先生からご説明のありましたぷくっとふくれたところの細い血管が破けてしまい脳の中に出血してしまうということです。 圧倒的に多い原因が高血圧ですが、その他には脳の動静脈奇形、もやもや病など、脳の血管のいろんな病気で起こることがあります。
豊田:  もやもや病ってなんですか? なんか「もやもや」してるんですか?
寺澤:  ・・・・・
豊田:  答えない? あ、そう(笑)。
 さっき言われた細い血管がぷちっと裂けて脳出血するということと、それから、動脈硬化って実際の見た目はどうなのかなって思いますよね。 山根先生、手術の時とか実際血管を見られてますよね?
山根:  僕たち脳神経外科医は手術してますが、太い血管、細い血管いろいろありますけど、脳の中の血管というのは実はなかなか見れないんですね。 脳の外にある比較的大きな血管を見ているわけです。脳の動脈硬化というのはですね、まず外見を見ると普通の元気な若い方というのはピンク色をしています。 動脈硬化になりますと黄色くなるんですね、触っても硬くてですね、なおかつ壁自体も厚くなってるというのが見た目上の動脈硬化ですね。
豊田:  先生、もやもや病って何ですか?
山根:  もやもや病というのは、東北の脳外科の有名な先生が命名してそのまま世界の病気の名前になっちゃったんですが、脳の血管撮影をしますとですね、 血管のある部分がタバコの煙がもやもやと上がっていくような感じに見えるところがあるんですね、その教授殿がたぶんタバコが好きでこうぷかぷかしてて、 「おおこんな感じや」というふうにもやもや病とたぶん名前を付けられたんだと思います。
豊田:  それはホントの話ですか?
山根:  と、僕は聞いておりますが(笑)。
豊田:  そうですか。
山根:  ということで特殊な病気で、日本に多いのですけども、あまり歳の方にはいらっしゃらないということで、まあ皆さんのような歳では少ない。 そんなに多くない病気です。脳出血の原因のほとんど、8割9割以上が高血圧ということです。
豊田:  ほとんど脳出血の原因は血圧が大きいぞ、ということですね。 確かに moyamoya diseaseと英語でも「もやもや」なんですね。はい、続けてお願いします。
寺澤:  次に血管が破けるもうひとつのタイプで、くも膜下出血というのがあります。脳の表面にある比較的太い血管が破けます。 脳動脈瘤という動脈のコブが破けて出血します。原因として関わっているのが、何度も出てきていますけれども高血圧、それから飲酒、 そしてタバコですね、そしてさきほどの脳の出血のところでも出てきました脳動静脈奇形などの血管の病気でくも膜下出血が起こることがあります。
豊田:  これで脳卒中のタイプはみな説明頂いたんですけど、くも膜下出血のコブってのは…、これも実際に見たらどんな感じなんですか?  たぶんあとで写真も出ると思うんですけれども、よく焼いた餅が膨らんだイメージがありますけど、そんな感じですかね?  薄くなって…、それが破けると…、そういったイメージを…、答えていただけないかなあ〜と思って、パネリストの皆さんにサインを送っているんですけど・・・
大庭:  …よろしいでしょうか。
豊田:  どうぞ、待っとりました。(笑)
大庭:
(写真)大庭信二さん:クリックすると紹介ウィンドウが開きます
パネリスト:大庭信二さん
国立病院機構呉医療センター
脳神経外科科長
 はじめて発言の機会を与えていただきありがとうございます。
 今日のいろんなテーマの中の動脈瘤なんですけれども、怖い病気です。私が脳神経外科医になった頃、20年前なんですけれども、 ある脳外科の先生が患者さんに説明していると「これは手術をするともう五分五分だよ」と、なんと恐ろしいことを言うんだろうと思ったんですよね。 研修医の頃だったんですけれども、「あなた、生きるか死ぬか、これはやってみないと分からない」という疾患だったと記憶しております。 ところがあれよあれよというまに、20年、私がのほほんと生きている間にだんだん医療が進歩しまして、手術方法も変わってきて、顕微鏡なんかもすごくよくなったんですよね。 昔は外国製の顕微鏡ばかり使っていたんですけれども、最近は日本製が良くなって、非常に良く見えるようになって、それから日本人が作っている手術器具も、 ハサミとか鑷子(せつし)とかが非常に良くなって、手術がすごく安全にできるようになったんですね。 確かに怖い病気なんですけれども、我々の努力ではなくて、自然と手術成績が良くなってきて、最近では治療のリスクというのは1%とか2%とかになっています。
昔は50%とか言われてたんですけれども・・・
豊田:  五分五分じゃなくて、1対9ですか?
大庭:  そうですね。1対9、いや1対99です。
豊田:  コブが裂けても裂けなくても…ですか?
大庭:  裂けたらダメですね。裂ける前に治療をするんですよ。…あ、そうでもないですね。私の記憶の限りでは、昔は元気になって帰る人は少なかったんですが、 裂け具合によってですが、少し頭痛がある程度で病院に来られて、くも膜下出血と診断された方は元気になって、ここ数年ですけども帰られなかったという人はいません。 というぐらいの医療水準になってると思ってます。もちろん、高血圧とかがあって、たくさん出血された方というのは、なかなか意識が戻らない。 意識が戻らないようなたくさんたくさん出血された人というのは、なかなか命を助けるというか、機能的な面も含めてですね、麻痺とかも起こって、 なかなかすごく難しいんですけども、いわゆる頭痛だけの症状とかで来られる方というのはかなりの確率で治せるようになりました。
 さっき質問のあった動脈瘤というのは本当に壁が薄くなって、実際に手術で見ると、血管が薄くなってて、中の血流が分かるぐらい透明になってるんですね。 さらに動脈硬化がある方というのは、血管の全体が白いところなんですが、中で薄くなってて真っ赤になってて、いまにも出血しそうな状態になってますね。
豊田:  もうコブのところが血管が薄々になって、たとえばイクラみたいな感じで、中に赤いのが透けて見える状況なわけですね。
大庭:  そうです、まさにイクラ状態ですね。
豊田:  外国で言うたら「ハウマッチ?」・・・あれは「おいくら?」ですね。(笑)…で、あのくらい薄々になってる。で、渦が巻いてるのが見える。
 手術の機械が良くなっただけですか? 先生方も練習して上手になったんじゃないですか、成績良くなったのは?
大庭:  それを言うと自慢になりますけど、それもあるとは思うんですが、あまり自慢すると・・・(笑)。ともかく日本人の努力はすごいもんだと思います。 いまよくテレビでスーパードクターってやってるじゃないですか。脳外科の先生とかですね。テレビ見ながらうちの息子に言うんですけども、 「こんなん当たり前よ、父さんもやってるよ」と言うと、「父さんすごいね」と言われるんですよね。
豊田:  小さい子騙したらいかんですよ。(笑)
大庭:  いや、でも、普通に日本人というのはそういう風にして治療成績も良くなってますし、要は地域で治療されても、アメリカで治療されても、 我々日本人は手が小さいですし、器用な先生が多いですから、まったく心配ないと私は思っております。
豊田:  これは大事な点で、こういう会を通して是非皆さんにお願いしておきたいのは、テレビとか出るとみんな、さっき言った神の手とかね、 スーパーなんとかとかあります、いい話ばっかりですよ。片や出るのは訴訟とか事故とか悪い話ばっかり。 普通に治療されて普通にやってるのは8割ぐらい、これはテレビにならないんですね。面白くないからなんですね。 今日、先生方は正直に話をしてくれてます。でも医者の側にも問題があるのは、取材があるといい話ばかりするし、 患者さんとして皆さんが病院に行ったときは、今度はあまりいい話しとったら悪かったら困るんで、たいてい悪い話をしますよね。 そうじゃないですか皆さん。こりゃあ悪いですよって悪い話をします。いい話をしてて万が一悪かったら大変です。 いま色んな説明をしなきゃならないので、いろんな合併症の話をして、そんなに言われるんでしたら手術はイヤです、と言いたくなるぐらい悪い話をされます。 でも今日は、いま目の前で皆さんが入院してるとかじゃないわけですから、こういう平常の状態の時にちゃんと本当のこと、 情報を交換しておくこと、正しい知識を持つことが誤解を招かないことだと思いますので、ぜひ皆さんの本音をしゃべってもらおうと思ってます。

次へ≫≫【これって脳卒中? 自己診断のコツと対処法】
その次≫≫【脳卒中はどこまで治せる? 最先端治療と限界】

Copyright(c) 2009 Stroke Forum All Rights reserved