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第3章「お薬の話」
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豊田章宏:
(写真)中嶋都義さん
中嶋都義さんさん
呉市薬剤師会理事
ホワイト薬局






 脳卒中の治療に関係の深いお薬について、呉市薬剤師会理事の中嶋先生からお話を伺おうと思います。
中嶋:
スライド・「服用時間を守りましょう」(クリックすると拡大表示します)
服用時間を守りましょう
(クリックすると拡大表示します)
 呉市薬剤師会理事の中嶋と申します。本日はよろしくお願いします。

 まず「服用時間を守りましょう」と出ましたけれども、薬をもらわれたときには、必ずどういった時間にきちんと飲んでくださいと説明があろうかと思います。 薬を飲むのですから、薬による害が出ないようにする、きちんと効果が出るようにするために、薬を飲む時間を守って、コップ1杯ぐらいの水またはぬるま湯で飲んでいいただきたいと思います。






豊田章宏:
(写真)豊田章宏さん
豊田章宏さん






 薬を飲む時にはコップ1杯ぐらいの水を飲んだほうがいいというお話でしたが、よく「お茶でだめですか」とか、 「コーヒーや牛乳ではだめですか」と聞かれます。あれはどうですか。
中嶋:
 コーヒーとかカフェインがあるものは、薬によっては少し作用を強めたりということもあろうかと思いますし、牛乳では効果が随分落ちたりするものもあるんですね。
 ただお茶については、昔は貧血の方のお薬で鉄剤を飲むときにはいけないよと言われていましたが、現在では、 そういった貧血状態の方は吸収に影響がないと言われていますから、お茶はそんなに影響はないかと思います。 ただ基本は、やはり水かぬるま湯で飲んでいただくほうがよろしいかと思います。
豊田章宏:  では、脳卒中治療に関係する薬の飲み方や飲み合わせの注意などがありましたら教えて下さい。
中嶋:
スライド・「脳卒中の予防で出される処方薬に対しての注意1」(クリックすると拡大表示します)
脳卒中の予防で出される
処方薬に対しての注意1
(クリックすると拡大表示します)
 今日のテーマであります、脳卒中の予防で出される処方薬についての注意ですけれども、特にワーファリン、先ほどから何回も出ています納豆、青汁、 健康食品のクロレラ等、薬の効き目を落としますので、できればとらないように注意してください。 緑色野菜は栄養学的には、まったくとらないというわけにはいきませんから、1日の摂取量をできるだけ一定量にしたり、 一時的に大量にとることを避ければとることは可能です。

スライド・「脳卒中の予防で出される処方薬に対しての注意2」(クリックすると拡大表示します)
脳卒中の予防で出される
処方薬に対しての注意2
(クリックすると拡大表示します)
 脳卒中で出される薬というのは血液を固まりにくくする作用があるわけですから、打ち身のときの内出血やけがをしたときの出血にも注意をしていただかないといけません。
 そして先ほど、EPA・DHAは血をサラサラにするからいいですよね、とりましょうと言われましたね。 しかし、ワーファリンなど脳卒中のお薬を飲まれている方は血液を固まりにくくする作用が強まりますので、ちょっと注意が必要です。
 特に手術を受けられる方は、これらの薬を飲んでいるために血が止まりにくくなるということで薬を中止する場合があります。 その期間については主治医の指示を受けてください。ただ最近は、歯科治療や白内障の治療においては薬を中止しないというのが基本になってきているようです。
豊田章宏:  さて、最近は医療費削減という傾向も手伝って、ジェネリック薬品が大きく宣伝されていますが、どんなふうに利用すれば良いでしょうか。
中嶋:
スライド・「ジェネリック医薬品の使用について(提案)」(クリックすると拡大表示します)
ジェネリック医薬品の
使用について(提案)
(クリックすると拡大表示します)
 最後にジェネリックについての話になりますけれども、先発医薬品、いわゆる新薬の特許が切れたときに販売される、 先発医薬品と同じ有効成分、同じ効能・効果を持つ医薬品のことをジェネリック医薬品と言います。
 このジェネリック医薬品を使ってみようというタイミング等について、皆さんに3つほど提案させていただきたいと思います。
 まず、新たに医薬品が処方される場合とか、先生が今までとは別の薬を使ってみようと思われた場合です。 これは先発医薬品であっても、ジェネリック医薬品であっても、効果がどの程度出るか、副作用が出るか出ないかというのは、 皆さん自身に飲んでみてもらわないと分からないからです。
 次に、今まで処方されている医薬品の用量が変更される場合ですけれども、当然、今まで飲んでいる薬をジェネリック医薬品に変えると、 添加物が違いますから、その添加物がたまたま自分の体に合わなかったらアレルギーを起こすことがあるかもしれません。 しかし、アレルギーを起こす率は非常に低いですから、ジェネリック医薬品に変えて飲んでみて効果がどうかというのを試してみるのも一つの手ではないかと思います。
(写真)中嶋都義さん
中嶋都義さん
 複数の医薬品、何種類かの薬を飲まれている場合は、一度に全部変えてしまうと、もし副作用が出た場合、どの薬による害なのかが分かりにくいです。 ですから、一つずつ変えていけば、どの薬を飲んだ時点で副作用が出たかで、どの薬が合わないかということが判断しやすいと思います。
 ジェネリック医薬品の使用については、これら3つのポイントでお医者さんや薬剤師に相談してみられたらいいのではないかと思います。
 以上、本日は皆さんが薬を使用する際に注意していただく点についてお話をさせていただきました。ご清聴ありがとうございました。

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