なんだか、料理のスライドを見ているとお腹が空いてきましたね。見ただけですが、食べたつもりで、最後に皆様には運動して帰っていただきましょう。
介護予防体操ということで、広島県理学療法士会呉支部の皆さんが、なんと氷川きよしさんのメロディーでダンスをしてくれるということであります。
今日はこのフォーラムのために呉のいろんな病院から集まって来てくださっています。
先ほどから舞台裏で練習されていましたけど、私もちょっとだけ真似しましたが、身体を動かすだけでも気持ちいいですから、
みなさんも良かったら席を離れてスペースをとってですね、一緒に体を動かしてみてください。そうしていただくと体で覚えていただけるとも思います。
それではよろしくお願いいたします。
岩本久生 広島県理学療法士会呉支部
皆さん、こんにちは。最後のセッションになりましたけれども、「介護予防体操、氷川きよしのメロディーにのせて」ということで、ちょっと踊りをですね、ぜひ、皆さんに踊って頂いて、こういう運動もありますよというような紹介も含めてやっていきたいと思います。
まず、氷川きよしの前にですね、脳卒中と運動との関係について少し述べていきたいと思います。
まず、日本人の死亡原因の割合です。前半の豊田先生や佐伯先生の発表にもありましたけれども、死亡原因として、悪性新生物、癌が1位。2位が心疾患。
3位が脳血管疾患。今日は脳卒中ですね。脳卒中が第3位ということです。昔に比べて、癌の死亡率が増えて、脳卒中の死亡率は減っているというような傾向にはあります。
これも豊田先生の話にもありましたように、脳卒中の発生が減っているわけではありませんよということはありますと。あったと思います。
ということはですね、脳卒中によって死亡することは少なくなっても、日常生活に支障をきたす人が多くなっているということでもあります。
要介護に陥る原因としては脳卒中が26パーセントと一番多くなってるんですね。これが転倒とか骨折とか、認知症によってね動けなくなって要介護になる人よりも、
脳卒中によって要介護に陥る人が多くなってます。
脳卒中になる原因としては、病気で言えば、高血圧、糖尿病、動脈硬化、高脂血症といったものがあげられます。
生活習慣では、飲酒、喫煙、食事バランスの低下、さきほど食事の話もありましたが、そういったバランスの低下によって、肥満が起こされて、脳卒中になると。
で、あとは、運動不足ですね。あとは、ストレス、過労、睡眠不足と、こういったことも脳卒中になる原因というふうに言われております。
ここから運動の話になりますけど、運動によってどういう効果がありますかと、よく運動は大事だ大事だと言われるんですけど、具体的にはどんなことかということを簡単にまとめてきました。
まずは心血管系、呼吸系機能の改善、要は心臓や肺のほうですね。最大酸素摂取量、どれだけ酸素を体に取り込めるか、そういった酸素が脂肪の燃焼に効果的だと言われておりますので、
こういった能力を増加させる。あとは冠動脈疾患の危険因子の減少。最高血圧や最低血圧を低下させる効果があります。
これは運動によって10mmHg、そのくらい減ったという報告もあります。あとは中性脂肪の減少。体脂肪、内臓脂肪の減少といったことが挙げられます。
続いて罹患率、死亡率の低下といって、脳卒中や心疾患、高血圧、糖尿病、骨粗しょう症による骨折、肥満などの病気になる確率を低下させますと。
そういった病気による発症率だけじゃなくて、死亡率も低下させることができるというふうに言われております。その他としては、不安やうつの改善。
高齢者の身体能力、自律能力の向上と、こういったことにも幅広く運動の効果はありますよということです。
じゃあ実際にどんな運動がいいんですかということは、皆さんよく気になるところではあると思いますけど、まず強さ、強度はどれくらいがよいかということですが。
自覚的運動強度といいまして、自分が運動してみてこういうふうに感じるというようなところで、簡単に見分ける方法があります。
ま、だいたい楽であると、運動してみて、ちょっとはぁはぁしてきて、ちょっときついなというような感じる程度がいいだろうということが言われております。
具体的には、最大酸素摂取量の50から60パーセント。といわれてもなかなかピンとこない方が多いと思うんですけども、
こう見渡すと皆さんご年齢が60から70歳ぐらいの方が多いんではないかと思うんですけれども、まあ、準備して計算してきたんですけれども、
だいたい皆さん心拍数ですね、心拍数がだいたい110ぐらいですかね、そのぐらいの運動がいいんじゃないかなというふうに思います。
種類としてはたくさんの筋肉を使った全身運動ですね。速歩、早歩きだったり、ジョギングであったり、サイクリングや水泳やダンス、フォークダンスですね。
そんなようなことがいいかと思います。ただ息を止めるような筋力トレーニング、筋力トレーニング自体がダメということではなくて、
息を止めて一生懸命やるような筋力トレーニングはやめたほうがいいでしょうということです。運動の時間、頻度、期間としては、
できれば20〜30分以上の持続的な運動。休みをとるなということではないですから、休みを取りながらでも20〜30分続けて歩きましょうとか、
そういった種類の運動ですね。あとは週2〜3回以上。やっぱりこれくらいやったほうがいいというふうに言われております。
今度は運動はいいといわれながらも、ただいけないときはどんなときがありますかと、やっぱりいけないときもあるんですね。あの、無理をしない。
じゃあどういうふうに無理をしなければいいのかといったところで、自覚的に分かる範囲でですね、抜粋してきました。
たとえば、めまい、吐き気、呼吸困難感の出現ですね、はぁはぁぜいぜい言ったりだとか、頭がくらくらする、そういったことですね。
あとは不整脈の出現、安静時の脈拍、何もしていないのに1分間に120回も脈を打つような場合。これは控えたほうがいいでしょう。
最高血圧、上の血圧といいますけど、上の血圧が200、下の血圧が120mmHg以上であるときには運動はやめたほうがいいというふうに言われております。
で、何もしてないのに、安静時ですでに息切れや動悸があるとき、そういったときはやめたほうがいい。あとは狭心痛の出現といったところが挙げられます。
ここでですね、脳卒中などで要介護にならないために、私たちはですね、介護予防教室といいまして、包括支援センターさん、
ここの建物(呉市広市民センター)の2階にもあるんですけれども、そこと協力してこういった教室を開いております。
呉市内の3地域でですね、昭和と広と天応で平成19年、3年前から継続して行っております。3ヶ月間を1セットとして週2回、全部で12回ですね、
毎週2回ずつやっております。そのうち運動が8回、栄養士さんがやってくれる栄養指導が2回、口腔ケアが2回ということです。1セットあたり平均15名ですかね。
多いときで22〜23人ぐらいの方が参加してくれてます。1回約120分。かなり長いんですけれどもそこでいろんな運動を行ってきております。
介護予防教室の簡単な流れなんですけれども、私たちはこういうふうな形で血圧を最初に測って、1回目は体力測定するんですね。いろんな体力を測定します。
そういった効果をあとでお見せしますので、体力測定をやって、血圧測定をやって帰ると、2回目以降は、準備運動、ストレッチ、座ってできるトレーニングですね。
あとはリクリエーション、たとえばコンビニの袋をですね、空気を入れてですね、簡単に縛って、ポンポン投げたりとかですね、
ああいったこともすごく好評でですね、そういった運動を行っています。あとはオォーキングとか言って大股で歩いたり、後ろ向きで歩いてみたりですね、
結構皆さんできないんですね。こういったこともいい運動になります。あとは最後に踊りと書いてあるんですけれども、これが僕ら理学療法士のですね、
有志が集まってですね、オリジナルの踊りをですね、作ってやっております。
これを皆さん最後にねぜひやっていただきたいなと思っておりますので楽しみにしてください。
これが介護予防教室の様子なんですけれども、問診、ちょっと話を聞いて、どんな状態ですかということだったりとか、
あとは写真ですね、右の写真とか、片足立ちの測定ですね、下の写真も片足立ちをやって、左の写真のほうは、どれだけ手が届くか、
これもバランスのテストなんですけれども、そういったバランスの検査をやっております。
これで実際に、左上は、太ももを大きく上げて歩きましょうと。右側の写真は、大股で歩いている写真ですね。
下の写真はボールを使って対面になってボールを転がしてボールを蹴ったりとか、この瞬間に片足立ちになったりするので、バランスの練習になったりします。
これが他の運動ですね。右側の写真は椅子の後ろに立って、スクワット運動ですね。そういった筋力をつける運動。
みんなでやってるというような形で、やってきました。じゃあその効果として、どれだけ効果があったのかというのを、3年間で123名分。
これは呉市の高齢者です。これをまとめてみましたので、皆さんに出してみたいと思うんですけど。
10メートルをどれだけ速く歩けますか。だいたい8秒以内で歩けるとですね、割りと健康な方のレベルになると思いますが、
参加者はだいたい6.6秒と、結構速いんですね。その方の場合にはですね、あんまり変わんなかったなという感じはいたします。
ただ、30秒で椅子から何回立ち上がれますか。これは足の筋力を簡単に測るものです。
何も使わずに30秒時計見ながら立ったり座ったり立ったり座ったりするんですけれども、それが10回以上あると割りといいと思うんですが、16回だったものが、
こういったレベルの高い人でも、こういうふうに向上したというふうな結果が得られました。
片足で何秒立てますかというのも、最初は31.9秒、平均ですね。といったものが、最後には、3ヶ月運動したら35.6秒というふうによくなっております。
どれだけ遠くまで手が届きますかという、さきほどちょっと写真で見せましたけれども、これもバランス能力なんですね。
これが転倒と関連があるというふうに言われているんですけれども、これが26センチだったのが、少し上がってきて27.4センチと、
これも数学的に平均すると上がってるというふうに出てきました。
6分間でどれだけ歩けますか。これは体力ですね。全身持久力。こういったものが有酸素運動にすごくむすびつくものですけれども、
6分間で433メートル歩いたものが、3ヶ月運動することによって448メートルというふうにして向上したということが出来ました。
ちょっとよかったなあと思います。
このまとめとしましては、全身持久力、バランス能力、足の筋力が向上しましたと。まあ、歩く速さについては変わりませんでした。
で、アンケートを取ったんですけれども、自宅や暇なときに運動するようになりましたというふうにかいとうが得られました。
今回、週1回だけなんですね。だけれども、少しは上がってくるということで、本当は週2回くらいやりたいところですけれど、
それでもこういうふうにして運動してなかった人がですね、自宅や暇なときに運動するというような習慣付けがちょっと付いてきたようなことがありまして、
それで、少し良くなったのかなというふうにも思います。
それでは皆さん。介護予防教室の名物、「氷川きよしのスンドコ棒体操」を踊ってみましょうということで、今回のセッションは私の話よりもこれがメインなんですけれども、
ぜひ、こういうことをやっておりますということで、少し興味を持っていただければいいかなと思って、ここで披露させて頂きたいと思います。
まず、どんな踊りかというものを、先に流してみたいと思うんですが、これは私が勤務している病院の中なんですけれど、ここで、モデルになって踊ってもらいました。
−ビデオ・スタート−(※このページの写真は講演会の会場のものです)
♪ズン、ズン、ズン、ズンドコ〜 ズン、ズン、ズン、ズンドコ〜♪
手と足を同時に出してですね、リズミカルに。
前に屈みながら、足と手を同時に出します
これ体はね前かがみになったり後ろにもっていったりということで、
結構、意外と汗をかいたりしておりますが
あとで、皆さん全員でやりますので、見ながら覚えてみてください
今度は手を上に挙げて、横に倒してですね、腋の筋肉を伸ばしてあげる運動ですね
今度は前に出して体をひねる運動
腰の筋肉をしっかり伸ばすような感じ
意外とこれペースが速いんじゃないかな
前3回出したら上に1回。はい、ちょっと休憩です
今度は両手を上に挙げて斜めに動かします。こう流れるような
ちょっと早く動かします。
はい、回します。手を大きく回します。もう一回。
棒によってですね。
脳卒中の方でも、手がなかなか上がりにくい人もいると思うんですけど、
少し棒を使って両方の手が挙がるように
これは前かがみ足と体を前に出します
これは手首の運動ですね
間奏で暇つぶしをしているようなもんです
はい、ここで立ち上がって
今日はですね、立ち上がらなくてもいいですから、立ち上がれる人は、前の列の人は立ち上がられてもいいですけどね、
また、同じようにして両手と足を交互に
手を上に挙げて
また最初に戻ります
はい、深呼吸です
はい、ぐるっと大きく回して。
−ビデオ・ストップ−
これを氷川きよしのメロディーにのせて、この女の人が考えたりしたんですけど、作ってみました。
それではですね、みなさんにぜひ踊って頂きたいので、スタッフの方、前へ出てきていただいて、お手本のほうを・・・
それでは皆さんですね、椅子1個分ぐらいお隣同志と空けて座ってみられたらですね、ちょうどいいかなと思うんですね。今日は棒がないのでね。
どうぞ空いてるところにね、移動してみてね、ぜひちょっとやってみてください。お隣同志、手がぶつかって仲が悪くならないようにしてくださいね。
それではやってみたいと思います。これでも意外と汗かいたりしますのでね、ぜひやってみてください。
会場全体がいっせいに動き始めました それだけみなさん真剣なんですね |
みなさんとても楽しそうです この日最後の講演とは思えません |
演ずるほうも一生懸命にです |
最後に「ヤーッ!」と掛け声。決まったー! |
はい、どうも、みなさんありがとうございました。みなさんどうですか。
こういった運動でも、意外と座りながらでもですね、ちょっとじんわりとね、汗をかくような感じではないでしょうか。
こういったことをですね、介護予防教室でやってますので、何か、こういったことがやりたいということがあれば、それぞれの地域の包括支援センターに問い合わせてみてください。
これがまた、みなさんの今後の運動のですね参考になれば私たちは幸いですので、今日は、どうもご清聴ありがとうございました。
豊田:
あのう、舞台袖から見ていますと、非常に一体感がありまして、素晴らしかったですね。なんだか新しい宗教のお祭りでも始まったのかなという感じでした(笑)。まあ、みなさん元気で長生きをしましょう。
早いものですが、終わりの時間になりました。長い間このフォーラムをやってきましたけれど、ほんとにこの14年間で1回も雨らしい雨が降っていないのです。
今日も本当にいい天気でした。これも皆さんのおかげだと思います。1回だけ呉中央でやった時にぱらっと降りましたけど、傘を開くほどではありませんでした。
皆さんの日頃の善行の賜物だと思っております。
それでは、どうぞ気をつけてお帰りください。最後に大きな拍手で会を閉めたいと思います。ありがとうございました。
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