【講演】 「健康管理と臨床検査よもやま話」 |
トップページ> 第17回講演会>【講演】「健康管理と臨床検査よもやま話」 |
それでは続けて「健康管理と臨床検査よもやま話」という演題の準備をしていただこうと思います。私は発表の役割を終えまして、司会のほうに専念をさせていただきます。 さて、ここからはですね、脳卒中というものを知っていただいた上で、まずさっきの食事のこと、それから今日はですね、 検査のことも知っていただこうと思っています。人間ドックなどでもご存知と思いますが、ひと口に検査といいましても本当にたくさんのものがあります。 検査とはどういうものなのか、どういったことに気をつければいいのか、そういったお話を、実際に検査をやっている検査部のトップの方に伺いましょう。 検査のよもやま話を聞かせて頂きますのは、中国労災病院の中央検査部部長、今日も検査部からは多くのボランティアの方にいらしていただいていますが、 そこの親分であります。親分の上林さんです。ありがたいお話を今日は期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 上林寛司 中国労災病院中央検査部* 豊田部長、過分なご紹介をありがとうございます。リハビリ診療科の豊田先生のあとに、お話しするのは大変気が引けるのですが、本日は「健康管理と臨床検査よもやま話」というタイトルで、お話をさせていただくことになりました。 豊田先生のように分かりやすい、お話はできませんが、難しいお話は避けて、皆様の理解しやすい、お話をさせていただきますので、よろしくお願い致します。 なお、リラックスしながら聞いて頂けたらと思います。臨床検査の話もしますが、よもやま話を、たくさんしたいと思いますので、皆様方に楽しんでいただけるスライドを何枚か用意してきました。
冬の空気が澄んだときには、白い富士山頂と裾野の青いコントラストを非常にきれいに見ることができます。 富士山は標高が3776mと非常に高い山ですが、近くに海が続いています。そして、駿河湾は3000mの深い入り江になります。3000m級の山の近くに3000mの深い入り江があり、 世界的にも非常に珍しい地形であると言われています。もうひとつは清水という場所です。非常にサッカーが盛んなところで、Jリーグのサッカーの清水エスパルスの本拠地が、この近くにあります。 今年は広島のサンフレッチェが頑張っていますが、清水エスパルスにも頑張ってもらいたいと思います。 それでは、豊田先生から、ご依頼のありました、脳卒中フォーラムに関係した臨床検査の話をしてくださいということなので、気楽にお聞きいただければ結構だと思います。 皆様方は、17年間も続いている伝統のあるフォーラムに、ご参加されておられますので、脳卒中について、よくご存じの方が多いかと思いますが、あらためて脳卒中の原因になる動脈硬化と臨床検査、 これに的を絞って、お話をさせていただきたいと思います。
さて、動脈硬化とコレステロールについては深い関係があります。そこで、イラストを利用して皆様方に提示させていただきたいと思います。 コレステロールには、大きく分けて2種類が知られています。ひとつは、LDLというコレステロールです。LDLコレステロールは、ゴミをまき散らすように、血管の壁に余分なコレステロールを溜めてしまい、 いわゆる悪玉コレステロールと呼ばれているものです。テレビの健康番組でLDLコレステロールという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、LDLコレステロールが高い方は病気に気をつけてくださいねということは、 こういう状況がひとつあります。その反対に、善玉コレステロールと呼ばれるHDLコレステロールがあります。皆様の体の中にも、悪玉コレステロールと善玉コレステロールの両方が含まれています。 善玉コレステロールのHDLコレステロールは、血管の汚れの原因である余分なコレステロールを、お掃除してくれる働きがあります。 悪玉コレステロールや善玉コレステロールについて心配の方は、豊田先生の外来にかかっていただければ、血液を調べることによって、その数値を知ることができます。
次のスライドは、集計結果です。善玉コレステロールよりも悪玉コレステロール、つまりお掃除をしてくださる人よりも、ゴミを撒き散らす人が血液の中に何倍あると、 頸動脈に動脈硬化の所見があるのかということの一覧表になります。善玉コレステロールより悪玉コレステロールが2.5倍以上あると、80%ぐらいの確率で、頸動脈が厚くなるということが分かりました。 2.5倍という数字は覚えにくいので、3倍を目安にして頂ければ、よいと思います。善玉コレステロールと悪玉コレステロールの比率が、3倍を超えていると動脈硬化の可能性があるとうことになります。 ただし、全員の方の頸動脈が完全に塞がれている状態ではありません。超音波検査は、1mm程度の薄い膜を識別できる能力を備えていますので、多くの方は2mmとか3mmぐらいの程度です。 そして、これ以上、病態が進行しないように、治療をしていただくことが大切であると思います。 いろいろと、お話をさせて頂きましたが、動脈硬化の予防には、どうしたらいいのかということですが、豊田先生から、お話がありましたように、 いろいろな生活習慣を改善して頂くということが大切になります。まずひとつは、バランスのよい食生活です。お肉ばかり食べている方、脂っこいものが非常に好きな方は、 気をつけていただくとか、あるいは塩分が高いもの、おしょうゆをかけすぎたりしないということ。そういった形で毎日の食生活に気をつけていただくことが何より大切ではないかと思います。 次に、適度な運動です。オリンピックやスポーツ選手のような運動をする必要は、ありませんが、HDLの善玉コレステロールを増やすことになりますので、非常に大切なことであります。 最後に禁煙を書かせていただきました。タバコの煙は、呼吸器や喉、肺に悪い影響を与えることは、感覚的に分かると思うのですが、肺の組織は、 気管支から細気管支に枝分かれして、最終的に肺胞という非常に微細な、ぶどうの粒の様な構造まで、たどり着きます。タバコを吸う方は、朝、昼、夜も吸って、 ほとんど毎日、習慣的に繰り返していると思います。習慣的にタバコを吸っていますので、タバコの煙が肺胞に送られて、慢性の炎症を発生する可能性が高くなります。 慢性の炎症が起きますと、マクロファージと呼ばれる特殊な白血球が体の中で活性化されます。すると、マクロファージが、悪玉コレステロールを食べ込みながら血管の内側の内皮細胞に付着して、 血管の壁の厚みを増やすという状態を招きます。そのため、動脈硬化を気にされる方は、タバコを控えたほうがよいと思います。 いろいろ、お話をさせて頂きましたが、要は、動脈硬化については、まず、検査を受けていただくということ。 そして、日常の生活に関して、食生活であるとか、運動であるとか、そういった健康管理に気をつけていただくということが重要になると思います。
この写真は、朝霧高原と呼ばれる場所で、西側から眺めた富士山になります。朝の早い時間に朝靄が立ち込めて、東の空がピンク色に染まっているときの富士山です。 朝霧高原は、標高600mの高原で朝霧牧場があります。そして、北海道のような雄大な景色の場所であります。朝霧高原は富士山に近いため、天気のよい日は、 このように、富士山を非常に大きく見ることができます。 次の写真は、田貫湖から眺めた富士山です。田貫湖は、さきほどの朝霧高原の近くにあります。そして、田んぼを貫く湖という文字になります。 その意味は、農業用水の灌漑のために人工的に作られた湖に由来します。天気がよい日には、鏡のような水面に富士山が映り出されます。 これは、逆さ富士山と呼ばれています。なお、田貫湖の周囲は、キャンプ場が整備されていて、私の子供が小学生の頃は、よくここで、キャンプ生活を楽しみました。 快適なキャンプ生活を楽しむことができる場所が富士山の近くに整備されております。 次の写真は、先ほどの田貫湖から眺めた富士山ですが、これを、ダイヤモンド富士山と呼びます。これは貴重な写真です。田貫湖から東の方向に富士山がそびえています。 そして、富士山の頂上から、朝日の太陽が昇っている瞬間の写真です。ダイヤモンド富士山は、夏と冬のお天気の素晴らしくいいとき、年に2回しか見ることができません。 本日、この会場にお集まりになられた皆様は、きれいなダイヤモンド富士山を見ることができて、大変に運のいい方です。ぜひ宝くじも当たっていただきたいと思います。 なお、5月に皆既日食がありましたが、お日様の天体ショーといったものは、とても印象に残ります。 次の写真は、南東方面から眺めた富士山になります。この場所は御殿場プレミアムアウトレットという場所です。広い敷地にブランドショップが200店舗ぐらい並んでいます。 ゆっくりと半日ぐらい、お買い物を楽しむことができる場所です。箱根温泉にも近く、休日には、東京方面から多くのお客さんが訪れます。 私も、静岡県に住んでいたときには、年に2回ほど、嫁さんと娘を連れて、出かけていました。富士山は、日本の山ですが、不思議なことに西洋風の建物の町並みにも、まったく違和感がなく自然に溶け込んでいます。 さて、富士山の最後の写真になります。先ほどの御殿場から、夕闇の時間帯に眺めた富士山です。呉市にも、夕日や夜景が非常に有名なところがあるようです。 富士山は非常に高い山のため、てっぺんに北風の偏西風が吹きますと、こういうふうに雲がかぶって、だんだん頂上が見えなくなってきます。 富士山のふもとの御殿場の市街地に明かりがキラキラ輝いて、宝石箱のようにきれいな夜景を見ることができます。様々な表情を見せる富士山を紹介させていただきました。 私の話はこれで終わりますので、皆様方は健康管理に気をつけながら、元気にお過ごし頂ければと思います。どうも、ご静聴ありがとうございました。(拍手)
(*講演当時のものです)
|
≪- プログラムに戻る <−2.「呉食堂って何!?」 |
4.「薬を正しく飲むために知っておきたいこと」-> |
Copyright(c) 2012 Stroke Forum All Rights reserved |