【講演3】 呉市脳卒中再発予防事業について |
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前野尚子 さん 呉市福祉保健部 保険年金課 管理栄養士* はい。みなさんこんにちは。私は、呉市の保険年金課で管理栄養士として勤務しております前野と申します。今日は朝から天候も良く、豊田先生もおっしゃいましたけど、実は今日は呉市ウォーキング大会の日でした。午前中は歩かれましたか?(会場から反応が…) あ、ありがとうございます。私は歩いてないんですけど(笑い)、はい。 今日は呉市が今年度から取り組みを始めました、呉市脳卒中再発防止事業についてご紹介していきたいと思います。その前に、どうしてこういった事業を呉市がするようになったかを簡単に説明していきたいんですが、まず呉市について振り返ってみたいと思います。
私、保険年金課に所属しておりまして、どんなことをするかといいますと、国民健康保険の運営をしているわけなんです。 その国保に加入して頂いている方が、いま5万4千人ぐらいです。人口の約23%。高齢化率ですけれど、さきほど包括支援センターのほうから説明がありましたが、 実は日本全体では65歳以上の高齢化率、3人に1人が高齢者になるのが、約10年後2025年なんですけど、実際呉はすでになっています。 ご覧のように高齢化率は32%、3人に1人が高齢者。同規模の人口の都市では、なんと全国では1位となっております。 ちなみに、国保に入られている5万4千人のうちの高齢化率でいうと、47%の方が65歳以上。ほぼ半数の方が65歳以上という現状です。
今日のテーマの脳血管疾患、脳卒中は、かつては日本人が亡くなる原因の第1位でした。 しかし医療の進歩のおかげでなんとか急性期、発症してすぐの時期は乗り切れるようになってきたというのが死亡原因として下がってきたと言われております。 しかし、食事をはじめとした生活習慣の欧米化ですとか、高齢化によって脳卒中の中でも、実は脳梗塞は以前より増えているという状況にあります。
ではなぜ、脳卒中はいまだ死亡原因の上位で、しかも介護を必要とする状態となる病気なんでしょうか。 その1つは、実は再発ということがキーワードとしてあります。実は、脳卒中というのは再発しやすい病気なんです。年間の再発率は約5%。 つまり発症後1年間で20人に1人の方が再発する。10年間では半数の方が再発するというデータもあります。これが癌ですと、年々、歳をとればとるほど、 再発ですとか、転移というのは少なくなるというイメージがあって、同じようなイメージを持たれている場合があるんですけど、 脳卒中のほうは逆でして、歳をとればとるほど、再発しやすいというのが特徴のひとつとしてあります。
まず、この事業の目的なんですけれど、呉市の国民健康保健に加入していただいて脳卒中の退院後、自宅に帰られて生活されている方で、 定期的に通院されている方へ、脳卒中の再発予防、重症化予防のための保健指導プログラムを提供すること。 それから市民の誰もが身近に生活習慣の改善等を図ることが出来る場を、豊田先生率いる脳卒中のワーキンググループとの連携によって整備してその再発を予防し、 患者や家族の生活の維持・向上を図ること。または市全体の健康寿命の延伸を目標としてやっております。 取り組みの内容ですけど、脳卒中の再発予防プログラムの実施、それから地域連携パス、これは豊田先生がおっしゃられた地域連携パスとは別のもので、 どちらかというと自己管理手帳ですけれど、そういったものを作成すること、それから市民の誰もが身近に生活習慣の改善を図ることができる場を整備すること、 などが取り組み内容です。
それから同じくこのeGFRというのは腎臓の機能を示すものですけれど、このG1からG4までありますが、開始時にはこのような分布です。 これ4になるほど悪い、腎臓の機能が落ちているというものなんですが、なんと4の方でも6か月後には1つステージがよくなっている。 この腎機能は、悪くなった方はいなくって、どのステージの方も100%の維持・改善という結果を得ています。いうようなことが、ひとつは評価され、 また、主治医の先生ですとか、様々な関係者の方々と連携をさせていただいたことが評価されて受賞をさせていただいております。
まず1つは特定健診です。これは40歳以上の方が対象で、それぞれ医療保険者にすることが義務付けられています。 我々国保でしたら国保に加入していただいてる方、社会保険ならその加入者へしなくてはいけないというもので、生活習慣病とか、 メタボリック症候群の予防改善のための健診です。またがん検診のほうは、呉市にお住まいの方で、それぞれの疾患ごとの年齢対象の方が対象となります。 がんの検査をして、早期発見、早期治療を目的としている検診です。
どうか私どもが保健事業ですとか、健康診断、お声掛けすることがみなさんあると思いますが、 その際はぜひご理解いただいて積極的にご参加をいただきますようにお願いいたします。今日はどうもご清聴ありがとうございました。(拍手)
(*講演当時のものです)
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