豊田: |
「高すぎる、コレステロールも 見逃すな」コレステロールも高すぎちゃいけないってことですが、先般の人間ドック学会の発表を踏まえて、
コレステロールの正常値が日本は厳し過ぎると週刊誌に出ていたのを皆さんご存知ですか? これはどういうことなのでしょう?
実際には基準値はどれぐらいで考えたらいいのでしょうか?
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杉本: |
一般的にはLDLの正常値は139mg/dL以下というか、140mg/dL未満ですね、やっぱり。我々はそういう立場をとっておりますし、医療界では普通だと思います。
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豊田: |
人間ドック学会で出た数値は、見かけ健康な人達のデータを並べて見たら、コレステロール値が高くても元気な人がたくさんいたよっていうデータですよね。
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杉本: |
そういう風な解釈のほうがいいと思います。
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豊田: |
そうですよね。だから病気を防ぐためにはここまでの値にしておきなさいっていうデータではないわけですよね。
例えばタバコ100本吸っても癌にならない人もいるわけだから、そういう人は大丈夫っていう話と、
20本までに抑えたほうがいろんな病気を予防できるよというような別な視点での話ですので、皆さん、楽なほうについつい流れたくなりますけど、
そこはひとつ大人になって我慢してください。
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杉本: |
そうですね、データの解釈には注意が必要ですね。
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豊田: |
まあ、いろんな情報が週刊誌には出てきますからね。踊らされないようにしましょう。みのもんたさんが一言「ココアが健康にいい」とテレビで言ったら、
町中のスーパーでココアが売り切れるとかですね、そういったことがあります。テレビや週刊誌の力はとても大きいので、皆さん、正しい知識を身に着けるよう注意しておいてくださいね。次ありますか?
よく善玉コレステロール(HDL)とか悪玉コレステロール(LDL)って言い方をしますが、その辺の解釈のしかたを教えてもらえますか? 健診の結果で、皆さんも血液データをもらいますよね、
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杉本: |
HDLコレステロールの場合は下がると脳卒中のリスクになると言われていますが、一方でなかなか上げにくいものでもあるというところですね。
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豊田: |
あの、食事内容を工夫して上がるもんじゃないんですか?
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杉本: |
どうでしょう?
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豊田: |
あの、よくコレステロールを下げるためにね、皆さん脂肪に気をつけるじゃないですか。それは悪玉コレステロール全体を下げることであって、善玉コレステロールを上げる食事ってないんですか?
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外裏: |
食材にありますよ。
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豊田: |
おっ。それを教えてください。
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外裏: |
脂質の中でも、オレイン酸をたくさん含んでいる脂質は善玉コレステロールを上げるといわれています。オリーブ油とかそういうものが代表的なものになります。
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豊田: |
オリーブオイル? ギリシャの人たちの健康だといいますね。オリーブオイルをコップで飲んでいますからね。オリーブオイルは飲んで健康だけど、財政難で国は破綻するというのは困りますが・・。(会場笑)
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外裏: |
ちょっと国の破綻までは分からないのですけれど(笑)
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豊田: |
また、食べ物の内容についてはあとで詳しく伺いたいと思います。コレステロールも全体の値が高くならないように気を付けていただいて、バランスを取っていただくというのでよろしいですかね?
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杉本: |
そうですね。一次予防、二次予防といって、一度脳梗塞になった方はちょっと低めに下げていただくとかですね、細かい点はいろいろあるんですけども、そこはまた主治医の先生とかに聞いていただくのがいいかなと思います。
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豊田: |
コレステロールもあまり下がり過ぎると脳出血になりやすいってこともありますしね。そこらへんは程よくってことが大事かも知れませんね。ありがとうございます。
次は、どうでしょう。これ今、お話いただいたことでしょう。危険因子が多いほど治療目標値は厳しくなります。ですから、高血圧とか、糖尿病とか、
脂質代謝異常とかですね、それぞれ1個1個の基準値はありますけど、重なるとリスクが高くなる。柔道でいうと「合わせ技イッポン」みたいなことになりますので、
やっぱり複数リスクを持っておられる方はコレステロールの目標値も厳しくしたほうがよろしいということですね。
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杉本: |
はい、その通りです。
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豊田: |
皆さんも、なるだけ合わせ技イッポンを取られないようにしましょうね。
お食事の話にいく前に、ここで休憩時間を取りたいと思います。10分ほど休憩を入れたいと思います。
( 休 憩 )
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(*講演当時のものです)
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