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脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
トップページ第20回講演会>脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

豊田:
脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
 さあ、最後のポイントになります。脳卒中になったらすぐ病院に行ってください。しかし、なったかどうかが解らなければ病院に行けないですよね。 何が脳卒中の症状なのかが解んなきゃ、やり様がないわけです。テストでも問題が解んなきゃ解きようがないですからね。 今日は解りやすいアニメーションがありましたので、皆さんにご紹介します。


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図43:脳卒中の主な症状
図43:脳卒中の主な症状
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 はい、ありがとうございます。これは滋賀県のネットからご紹介させていただきましたので、滋賀県の連絡先が出ましたが、 皆さんは滋賀に連絡する必要はありませんよ。119に電話すれば近くの消防にちゃんと繋がりますので、そうして下さい。
 大事な事はそういった症状をちゃんと覚えておいて、なったら直ぐに電話できるようにして頂きたいのです。 脳梗塞、脳出血、これは突然出てくる神経症状が特徴になります。杉本先生、専門的にみて間違いないですよね。
杉本:  まさに描いてある通りです。脳卒中の症状ですね。
豊田:  片方の、体の半分の麻痺、脱力というのがポイントでしょうか。両手足に起こった場合はちょっと違いますかね?
杉本:  両手足に脱力がおきる場合は、脳卒中とは違う事がよくあります。
豊田:  とにかく麻痺などの今までなかった症状が突然出たっていう場合は疑った方が良いって事ですね。半身のしびれ、それから言葉、呂律が回らない、あと見逃されがちなのがこの視野障害でしょうか。
杉本:  そうですね。はい。それはよく見逃されやすい症状ですね。
豊田:  しかも一過性で、ちょっと見えないけど戻ったからまあいいや。明日、明後日は土日だから月曜日に眼科でも行こうかなって思っていて、急死するって事もあるかもしれませんね。
杉本:  そうですね。
豊田:  めまいはどうでしょうか、皆さん受診するかどうか迷うとこだと思うんですよね。めまいとかふらふら感。これでだけでいきなり病院に行ってもいいものか、 迷うところですよね。夜にめまいで救急車に乗って行って、こんなんで来たんですかって言われるのも嫌ですよね。どう判断すればいいでしょうか?
杉本:  めまいは非常に専門医でも難しい、症状ですね。非常に鑑別が難しいです。
豊田:  こちらの片方の麻痺とか、言葉とかっていうのは解りやすいでしょうが、めまい、ふらふらの時は悩むとこだと思いますが、もしも、何時もと違ってひどい場合は受診された方が良いでしょうかね。
杉本:  それはそうだと思います。はい。
豊田:  くも膜下出血、この場合は突然の激しい頭痛が特徴だと、先ほど三好先生も教えてくれましたけど、どれぐらい痛いものでしょうか。私はなった事がないから解りませんが。
三好:  先程の、絵に出てましたけど、ハンマーで殴られたとか、雷が鳴った様なとかいろんな表現はありますけども、 とにかくもう耐えられないぐらい痛いというのが多いんですが、たまに軽い頭痛とかっていうのもあるので、 まあ気になられたら受診して頂くのは悪い事ではないのかなというふうには思います。
豊田:  そうですね。必ず教科書にはハンマーで殴られたような頭痛と描いてありますよね。描いた人は本当にハンマーで殴られた事あるのかなって思うんですけど。 それくらい痛いって事なのでしょうけど。ただ三好先生もおっしゃったように、本当に軽い場合があります。首筋がツンって痛い程度だけどCTを撮ってみたら、 くも膜下出血だったって事もありますので、何時もと違う頭痛だとか、普段から頭痛持ちの方でもいつもと違うものであればやっぱり相談をした方が良いかもしれません。
図44:一過性脳虚血発作(TIA)
図44:一過性脳虚血発作(TIA)
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 はい、ありがとうございます。次、お願いします。軽い症状と見逃してはいけないということですが、一過性脳虚血発作TIAという病態が見直されています。 昔は軽い発作で一過性で済んで良かったね。後は薬を飲んでおきましょうねとか、まあこれ軽くて済んだじゃないって言われてたのが、実は今、 これは大きな発作の前触れだという事でクローズアップされています。この段階でちゃんと治療した方が良いという事です。 一過性の脳虚血発作っていうのがどういうものかというの、解り易いアニメーションがあったので持って来ました。御覧下さい。


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 はい。ありがとうございます。これも滋賀県のものです。なかなか面白いのを作ってるんで解り易いなと思って持って来ました。
 杉本先生、これは間違いないですよね。こういう症状があった場合、早めに治療を受けた方が良いっていうのは。
杉本:  その通りですね。はい。
豊田:  だから、皆さんもどうか、そういう明らかな症状があった時には、軽く済んだからいいやではなくて、早めに治療を受けるという事が大事だと思います。はい、
 次お願いします。さあ、疑うべき症状をもういっぺんまとめときましょうね。もうしつこいくらいですが、今日は是非これを覚えて帰って下さい。


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写真:豊田章宏さん
 上手に作りますよね。まあ、何度も言いますが片方の手足がおかしい。顔が曲がる、言葉が出にくい。それから目が見えにくい。 そういった症状があったらすぐ受診をして下さい。ぜひぜひ覚えといて下さい。これはあのご本人が覚えているだけでもダメなんですよ。 家族の方も知っておかなきゃいけないんです。今日は特に若い方が多くいらっしゃるので、これありがたい事です。 もしお父さん、お母さん、お祖父ちゃん、お祖母ちゃんが近くでそうなったら、これは脳卒中だという事を判断してですね、直ぐに通報してくれなきゃいけないのです。
 皆さんもお家に帰ったら是非こういう事があったら救急車呼んでねって伝えておかなきゃいけないですね。 皆さんのこの伝言が周りの人を助けますので、ぜひぜひ帰ったら御自分だけで、そうかそうかと思わずに皆さんに広めておいて頂きたいと思います。
図45:一般的な脳卒中治療の流れ
図45:一般的な脳卒中治療の流れ
図46:専門的病院における入院治療
図46:専門的病院における入院治療
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 次のスライドをお願いします。もし不幸にも脳卒中になった場合でも、脳梗塞に対しては、最近では早い時間であれば血栓を溶かすような治療法もあります。 そして早いうちにリハビリテーションを開始して、回復期の病院でもリハビリをしっかり続けて、生活期まで繋げていくことが大切です。 そして再発予防も忘れずに続ける。こういった一連の治療が行われています。
 次おスライドお願いします。脳卒中の専門病院では、この血栓を溶かすtPAという薬の治療を行なっています。これは労災病院でもやっています。 この治療の開始には時間制限がありますが、どうでしょう。
杉本:  そうですね。発症して4.5時間以内であればtPAという注射を打つ事が出来ます。
豊田:  血管に詰まった血栓を溶かす薬ですよね。発症から4.5時間以内ですね?
杉本:  はい、発症から4.5時間以内ですね。
豊田:  という事は、寝ている間ですと、発症時間が解らない事がありますよね。
杉本:  そうですね。現代医療では寝ている間の発症ケースでは、打つチャンスを逃してしまう方がほとんどですね。
豊田:  まあ、それだけに昼間さっきのような症状があったら、なるだけ早く病院に行かないといけませんね。病院に患者さんが来られても、 この注射をする前に必要な検査をしなきゃならないですよね。それにかかる時間はどうですか。
杉本:  そうですね。それがありますので4.5時間といってもそれよりも前に来ないと出来ないです。
豊田:  となると、だいだい発症からどれくらいで病院に到着しなきゃならないですかね。
杉本:  それはですね。病院の体制によっても違うのでなんとも言いにくいんですけれども。早ければ早いほど良いです。
豊田:  ですよね。4.5時間っていうのはギリギリのところであって、それまでゆっくりやっていいというものではないのですね。
杉本:  そうですね。
豊田:  脳に血液が通わなくなって時間が経つほど脳のダメージは大きくなるわけですから、少しでも早く治療した方が良い訳ですね
杉本:  はい。
豊田:
図47:t-PAによる血栓溶解療法
図47:t-PAによる血栓溶解療法
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 遅くなると治療すら出来なくなる事がありますので、ぜひぜひ皆さん急いで下さい。治療に成功しますと、死亡率も低下しますし、残る障害も少なくなるので、 リハビリをする上でも苦労が少なくなると思います。
 次、お願いします。これは血管に詰まった血栓が溶けて流れていく、再開通するという治療を示しています。この治療までの時間が前は3時間が限度だったんですね。 現在ではさっき言われた4.5時間に延びてますよね。
杉本:  はい、4.5時間。
豊田:  病院からすると、治療前の検査や準備を考えて、やっぱり遅くとも発症から3時間以内には来て欲しいですね。
杉本:  そうですね。もっと、なるべく早くが良いですね。
豊田:
図48:t-PAによる血栓溶解療法
図48:t-PAによる血栓溶解療法
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 次、お願いします。はい、その後はリハビリになりますね。今日は主に予防の話になりましたが、脳卒中になってしまった後は、 リハビリをしてどこまで戻れるか頑張っていくしかありません。最近は急性期病院で初期のリハビリをすると、 回復期病院というリハビリを専門に行なう病院へ転院して、しかりリハビリを行なって、それからご自宅に帰って維持のための生活期リハビリをするという事になっでいますが、 永尾先生、リハビリを進めて行く上でですね、病院を転院しなきゃならないケースも多いわけですが、リハビリの継続性という点ではいかがでしょうか?
永尾:
写真:永尾進さん
 継続って事なんですけど、今呉市では脳卒中の連携パスというのがありまして、基幹病院としては、呉医療センター、中国労災病院、呉共済病院の3病院が中心になって急性期治療を行なって、 その後回復期、生活期を担うところに橋渡しして、その人の症状をちゃんと次の病院に連携して送って行くようなシステムで運用されています。
 ただ、どうしても急性期病院に入られると、ある程度期間が決められていて、次の病院へ行ってリハビリをして頂くということになっていますので、 病院間で連携を密にして、患者さんの回復をサポートしていくようなシステムが出来つつあるという所です。 地域内の病院とか施設の連携っていうのはもっともっとこれから密に動いて行くものと思っています。
豊田:  はい、ありがとうございます。患者さんの立場からすると、入院した所でずっと診てもらった方がそりゃあ安心だとかいうご意見もあると思います。 ただ、救急病院っていうのは救急車をどんどん受け入れないといけない病院です。常にベッドを空けて次の方を受けなきゃいけないっていう使命もあります。 そういう意味では急性期病院とリハビリ専門病院があって、こういう形で患者さんに転院して頂く事でなんとか救急ベッドを確保しているっていう実情もあります。 病気や怪我はいつ誰がなるか判りませんので、絶えず次の方のためにベッドを空けておくという事もあります。 皆さんのご理解と思いやりの中でやっているのが実際のところですね。
図49:脳卒中克服十カ条
図49:脳卒中克服十カ条
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 次お願いします。はい、この克服十カ条を確認して今日の最後にしたいと思います。
 生活習慣、これは脳卒中になった後でもですね、予防と同じです。自己管理防ぐあなたの脳卒中。 今日はたくさん勉強しましたね。血圧とか食事とか、この自己管理をまず行って下さい。
 学ぶ、今日まさしく皆さんは学んでおられます。知る、学ぶ、再発を防ぐ道しるべ。敵を知らなければ戦いようがありませんので是非今日の事をしっかり学んで、 周りにもお伝え頂きたいと思います。
 お薬の事もありましたね。止めないであなたを守るその薬。薬を止められないでしょうかっていうご質問がありましたけど、 必要なお薬は止められないものがあります。ですから、ちゃんと主治医と相談しながらやって下さいね。
 その主治医、かかりつけ医迷ったらすぐに相談、そのかかりつけ医に迷った場合は困るんですけど(笑)普通はかかりつけ医と相談しながら、 病気と闘っていくのが大事だと思います。
 それから肺炎、これですね。脳卒中になった後の合併症。肺炎って非常に率が高いです。病院に入院している間もそうですし、お家に帰られてからでも、 飲み込みが悪くなったりする事で誤嚥性肺炎を起こす事もありますので、是非気を付けて下さい。どういった症状かといいますと、声がガラガラして、 いつも痰が出てくるとか。食べた後に咳き込むとか。妙に熱が何回も出るとか、そういう時には肺炎を起こしている可能性がありますので、 早めにチェックをして頂きたいと思います。
 リハビリについてはコツコツ、こつはコツコツ、ジャレが入っていますが、根気良く続けてください。一気に良くなろうというんじゃなくて、続けながら、 永尾先生の話しにもありましたように中強度の運動をきっちりと続けて行く事です。
 そして大切な事は社会参加。あの病気になったからといって家に閉じこもるのは止めて下さい。これは脳卒中だけじゃありません。 癌でも何でもそうですが、社会との関係を忘れずに外に出かけて行って下さい。先日胆管癌で亡くなられた川島なお美さんですが、 最後まで彼女は言っておられたそうです。楽しいから笑顔じゃなくて、笑顔にしてるから楽しくなるんだと。大事な事だと思いませんか。
 後遺症、支え合い克服しよう後遺症。後遺症とは治療しても残った症状が後遺症ですので、これはお互い支え合うことで対応しようという事です。 社会福祉制度には色んなものがあります。一人で悩まずに、病院にはソーシャルワーカーとか、地域には地域包括支援センターとかがありますので、 そういった窓口を上手く活用して頂きたいと思います。
 そして、再発って事は少なからずあります。再発の時も対応はさっきと一緒です。手が変、口が変、言葉が変というアニメがありましたね。 そういった症状があった時には迷わずに救急車を呼んですぐ病院へ行って下さい。
写真:豊田章宏さん
 皆さん、この十か条ご理解いただけましたか? お家に帰ったらぜひ今日のパンフレットをもう一度見直して下さいね。
 さあ、お時間となったようです。今日は事前にうかがっておりましたご質問にもある程度、答えられたかと思います。 進行上、至らない点も多かったと思いますが、どうかお許しいただければ幸いです。長時間でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。 そして、是非とも健康を維持しながらまた来年お会いしたいと思います。
 出演者の皆さんも、私のムチャ振りにも耐えながら、長時間ありがとうございました。会場のみなさま、いま一度大きな拍手をお願い致します。(拍手)
 では、気を付けてお帰り下さい。そして、今日のカープが勝ちますようにぜひ応援を宜しくお願いします。ありがとうございました。

講演当時のものです)
 
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