【講演5】 口から食べるためのさまざまな工夫 |
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坂本 雄 さん イーエヌ大塚製薬株式会社 製品企画部課長* @ 急性期病院における後方視調査データの解析 イーエヌ大塚製薬が岩手医科大学に委託研究として依頼し、急性期病院34施設を対象に実施した郵送調査のデータについて、平成25年度の厚生労働科学研究で分析・解析された結果の抜粋。 728例中、摂食・嚥下障害ありと診断された症例は約75%、全体の約3割が3食経口摂取できないまま退院していた。 また、有意差はないが、積極的な間接訓練の実施により、退院時の経口摂取不可の割合が減る傾向であった。 (「小川彰.厚生労働科学研究費補助金・長寿科学総合研究事業平成25 年度総括・分担研究報告書.高齢脳卒中患者をモデルとした栄養管理と摂食機能訓練に関するアルゴリズムの開発、および経口摂取状態の改善効果の検証」より引用) A 食べるためのさまざまな工夫 ・比較的嚥下に適している食器の紹介 ご飯と食器との区別がはっきりとつく黒い食器の方がご飯を認識しやすく、深い器の方が食べ物をつかみやすいと言われている。 高さが低く、ゆるやかな傾斜がついている湯呑は、前を向いたまま飲むことができるので、誤嚥のリスクが低くなるのでは、という見方がある。 ・食べる時の姿勢 座って食べることができる方は、座って食べて頂くことが基本だが、それが難しい、寝たきりの方の場合は、ベッドをリクライニングさせた状態で食事をした方が安全な場合もある。 (「退院後の食事とよりよい生活のために」より引用) ・口腔内をきれいにする重要性 食後だけでなく、食前にも口腔ケアをおこなうことで、おいしく安全に食事を摂れるのではないか。 (「退院後の食事とよりよい生活のために」より引用) ・食事形態について 食べにくいもの「キーワード」、サラサラ、ボロボロ、ペラペラ、パサパサ。 おいしく食べるためのポイントは、かみやすいものを選ぶ、飲み込みやすくする、栄養価のあるものを、バランスよく食べることが大切。 ・かみやすくする調理法、飲み込みやすくするポイントの紹介。 (「かみにくい・飲み込みにくい人の食事」より引用) ・形状調整食の種類、ミキサー、ペースト状の食事、ソフト食等写真紹介。 ・摂食回復支援食「あいーと®」紹介。 B 経腸栄養について ・胃瘻とは 食事の摂れない方、飲み込みの出来ない方のために胃に直接栄養を入れる栄養投与の方法。鼻からのチューブなどに比べ、患者さんの苦痛や介護者の負担が少なく、喉などにチューブがないため、お口から食べるリハビリや言語訓練が行いやすいメリットがあると言われている。 (「PEGドクターズネットワーク」(https://www.peg.or.jp/eiyou/peg/about.html)より引用) ・半固形栄養とそのメリット 半固形栄養のメリットは大きく分けて『投与時間の短縮』と『食事摂取に近い(液体栄養剤とくらべてより生理的)』との見解がある。 (「胃ろうからの栄養管理半固形栄養の基本」より引用) C 最後に 今回供覧した内容を口から食べるための工夫の一例として参考にして頂き、日常の中で取り組みやすいことからでも実践して頂けたら幸いである。
(*講演当時のものです)
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