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【講演5】
口から食べるためのさまざまな工夫
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豊田: 豊田章宏  ベイスターズファンの坂本さんが発表の準備の間、ちょっと場をつないでおきたいと思います。
 ここまで色んなお話を伺ってみますと、究極は美味しいものを楽しく食べるというのが一番大事なのかも知れませんね。 まあ、家庭平和を考えれば、多少美味しくなくても「美味しい」といっていただくことも大事でしょうね。(笑)
 さて、今日は口腔ケアや嚥下体操とかをしっかりやって、お口の動きを滑らかにするということを習いましたが、それでも飲み込みが難しい場合には、 食べ物に工夫するというのもあると思います。みなさんも料理のときに、小さく刻んだり、柔らかく煮たり、とろみをつけたり、色々な工夫をされていると思います。 でも毎日やろうと思うと結構大変だったりもします。 しかし、日本の食品加工技術には素晴らしいものがあります。どうせ食べるなら、眼でも口でも美味しいと思えることは大切なことと思います。 坂本さんからういったお話をうかがえると思います。
 ところで横浜出身でベイスターズファンの坂本さん、お話いただく前に申し訳ないですけど、今のところ7対4で広島が勝っていますので…。(会場から拍手)
坂本:  はい。いま、直前にチェックしました。ちょっと追いついた感じはありますが…
豊田:  いま、まだ3回ですか?
坂本:  いえ、4回ですね。
豊田:  9回まではまだまだありますから。3点差はありますが、どうぞ期待しながら本題のお話の方をよろしくお願いします。(拍手)


※ 講師の坂本さんのご意向により、お話し内容を要約して掲載しております。

写真・坂本 雄さん 坂本 雄 さん
   イーエヌ大塚製薬株式会社 製品企画部課長




@ 急性期病院における後方視調査データの解析

 イーエヌ大塚製薬が岩手医科大学に委託研究として依頼し、急性期病院34施設を対象に実施した郵送調査のデータについて、平成25年度の厚生労働科学研究で分析・解析された結果の抜粋。
 728例中、摂食・嚥下障害ありと診断された症例は約75%、全体の約3割が3食経口摂取できないまま退院していた。
 また、有意差はないが、積極的な間接訓練の実施により、退院時の経口摂取不可の割合が減る傾向であった。
 (「小川彰.厚生労働科学研究費補助金・長寿科学総合研究事業平成25 年度総括・分担研究報告書.高齢脳卒中患者をモデルとした栄養管理と摂食機能訓練に関するアルゴリズムの開発、および経口摂取状態の改善効果の検証」より引用)

A 食べるためのさまざまな工夫

・比較的嚥下に適している食器の紹介
 ご飯と食器との区別がはっきりとつく黒い食器の方がご飯を認識しやすく、深い器の方が食べ物をつかみやすいと言われている。
 高さが低く、ゆるやかな傾斜がついている湯呑は、前を向いたまま飲むことができるので、誤嚥のリスクが低くなるのでは、という見方がある。
・食べる時の姿勢
 座って食べることができる方は、座って食べて頂くことが基本だが、それが難しい、寝たきりの方の場合は、ベッドをリクライニングさせた状態で食事をした方が安全な場合もある。
 (「退院後の食事とよりよい生活のために」より引用)
・口腔内をきれいにする重要性
 食後だけでなく、食前にも口腔ケアをおこなうことで、おいしく安全に食事を摂れるのではないか。
 (「退院後の食事とよりよい生活のために」より引用)
・食事形態について
 食べにくいもの「キーワード」、サラサラ、ボロボロ、ペラペラ、パサパサ。
 おいしく食べるためのポイントは、かみやすいものを選ぶ、飲み込みやすくする、栄養価のあるものを、バランスよく食べることが大切。
・かみやすくする調理法、飲み込みやすくするポイントの紹介。
 (「かみにくい・飲み込みにくい人の食事」より引用)
・形状調整食の種類、ミキサー、ペースト状の食事、ソフト食等写真紹介。
・摂食回復支援食「あいーと®」紹介。

B 経腸栄養について

・胃瘻とは  食事の摂れない方、飲み込みの出来ない方のために胃に直接栄養を入れる栄養投与の方法。鼻からのチューブなどに比べ、患者さんの苦痛や介護者の負担が少なく、喉などにチューブがないため、お口から食べるリハビリや言語訓練が行いやすいメリットがあると言われている。
 (「PEGドクターズネットワーク」(http://www.peg.or.jp/eiyou/peg/about.html)より引用)
・半固形栄養とそのメリット
 半固形栄養のメリットは大きく分けて『投与時間の短縮』と『食事摂取に近い(液体栄養剤とくらべてより生理的)』との見解がある。
 (「胃ろうからの栄養管理半固形栄養の基本」より引用)

C 最後に

 今回供覧した内容を口から食べるための工夫の一例として参考にして頂き、日常の中で取り組みやすいことからでも実践して頂けたら幸いである。


豊田:  はい、お話ありがとうございました。
 なるだけ普通にお口から食べるのが一番でしょうけれども、どうしても食べにくいということもあると思います。 そういう時には少しでも負担の少ない方法をということだろうと思います。
 いろいろ見せていただきましたが、不思議だったのは食べ物が皆そのままの形をしていますね。
坂本:  はい。
豊田:  あれは一旦つぶして元の形に戻したのではなくて、そのものを加工しているんですよね。
坂本:  そうですね、はい。
豊田:  そして、素材そのものの味がするわけですよね。
坂本:  はい。味はそのまま。食事と同じようになっています。
豊田:  料理してやわらかいものを出すというのは、大変手間が掛かりますよね。作る方の努力を考えると、こういった加工食品も取り入れながら、 うまく家事の手抜きもしないとお母さん方は大変ですからね。
 そしてまた、見た目もそのままなので、食べる楽しみがありますよね。確かにミキサーにかけてしまうと何がなんだかわかりませんものね。 坂本さん、他にはなにかアピールすることありますか。
 ベイスターズも頑張っていますか?
坂本:  はい、いやっ。その後どうなったのか、すっかり忘れていました。
豊田:  今日はこんな完全アウェイな状態の中で一生懸命にお話してくれました、坂本さん。どうもありがとうございました。
坂本:  ありがとうございました。(拍手)

豊田:  今日は、口から食べるというテーマで、色んな分野の専門家からお話を伺いました。お口の中の健康とか手入れについてのお話。 それから、われわれが普段無意識に行っている「嚥下」がいかに複雑なメカニズムで成り立っているのか。 そして、それが障害された時にどういった練習方法があるのかも勉強しました。
 別に病気ではなくても歳をとってくるとどうしても飲み込みが弱くなってくるので、それを予防する体操もありましたね。 ぜひ、お家でも「パピプペポ」って言うのもいいでしょうし、テレビに向かってカープの歌を歌うのもいいかも知れません。 とにかく声を出してみてください。そして、楽しく、美味しく食べることが健康に繋がると思います。
豊田章宏  今日もたくさんのボランティアが手伝ってくれました。もう一度彼らに拍手を頂ければ幸いです。(拍手)、ありがとうございます。 お話頂きました講師の先生方も、お忙しい中本当にありがとうございました(拍手)。
 皆さん、今から帰っても、まだカープの試合が観られると思いますが、どうか急いで帰って転ばないようにしてくださいね。 改めまして晴れのいい天気にも関わらず、お越しいただきましてありがとうございました。気を付けてお帰りください。

講演当時のものです)
 
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