膝前十字靭帯再建術の臨床成績に関する多施設共同研究
研究の意義・目的
膝前十字靭帯損傷を生じると、日常生活やスポーツ活動などに支障をきたし、放置すると変形性膝関節症へ進行します。そのため膝前十字靭帯損傷に対しては手術が必要となることが多いですが、膝前十字靭帯損傷に対する最適な手術方法はまだ確立されていません。より良い手術方法を確立するためには、広い地域から多くの患者さんの情報を集めて、術後成績に何が大きく影響を与えているのか大規模に分析する必要がありますが、当院のみでは多くの患者さんの情報を集めることは困難です。本研究の目的は、膝前十字靭帯損傷患者さんに対する治療成績について多施設で共同研究を行い、術後成績に何が大きく影響を与えているのかを分析することで、膝前十字靭帯損傷に対する最適な治療方法を確立することです。
研究対象者
2018年4月15日から2024年3月31日までの間に、本院整形外科外来を受診された膝前十字靭帯損傷の症例を対象とします。
研究方法
膝前十字靭帯損傷と診断された患者さんの情報(年齢、性別、罹患肢、身長・体重・BMI、職業、従事するスポーツと活動性、以前の膝手術歴、主観的膝アンケート評価、膝不安定性、受傷から手術までの期間、膝徒手検査所見、術後経過観察期間、術中の半月板や関節軟骨の状態、術中の靭帯再建術式と術中再建靭帯の挙動や骨孔の情報、術前後のレントゲン・CT・MRI情報、術後2年抜針時関節鏡所見)を収集し、その情報を匿名化し多施設から集めて分析を行います。個人が特定できる情報は解析前に匿名化を行うため、データ解析の際には個人を特定できる情報は含みません。これらの情報を分析することで、膝前十字靭帯損傷に対する最適な治療方法を確立することを目指します。本研究の参加施設は、当院の他にマツダ病院、中国労災病院、県立広島病院、松山市民病院、呉医療センター、松山赤十字病院、愛知医科大学病院、尾道総合病院です。
個人情報の保護について
調査内容につきましては、プライバシー保護に十分留意して扱います。情報が個人を特定する形で公表されたり、第三者に知られたりするなどのご迷惑をお掛けすることはありませんのでご安心ください。
研究に資料を提出したくない場合はお申し出ください。お申し出いただいても今後の診療等に不利益が生ずることはありません。
ご不明な点など、ありましたら、遠慮なく質問してください。
責任者
職名:関節整形外科部長
氏名:藤本 英作