整形外科

主な研修内容

外来，入院患者，救急患者の診療に指導医とともに従事し，整形外科の扱う疾患の理解を深める。整形外科特殊の検査にあたり所見の判読ができるように，また実際の救急処置について研修する。手術を見学し，整形外科的管理の実際について修得する。

研修プログラム

研修期間

必修科目として4週、自由選択科目として4週～32週

研修場所

整形外科外来、整形外科病棟、手術室

一般目標

救急医療及び慢性疾患中心とするあらゆる運動器疾患・外傷に対応できる基本的診療能力を修得し、正確な診断と安全な治療を行うために、その基本手技を修得する。運動器疾患に対し、理解を深め、必要事項を医療記録に正確に記載できる能力を修得し、正確な情報提供ができる医師を目指す。

具体的目標

A.救急医療

1. 骨折に伴う全身的・局所的症状を述べることができる
2. 神経・血管・筋腱損傷の症状を述べることができる
3. 脊髄損傷の症状を述べることができる
4. 多発外傷における重要臓器損傷のとその症状を述べることができる
5. 多発外傷の重要度を判断できる
6. 多発外傷において、優先検査順位を判断できる
7. 開放骨折を診断でき、その重症度を判断できる
8. 神経・血管・筋腱の損傷を診断できる
9. 神経学的観察によって、大まかな麻痺の高位を理解できる
10. 骨・関節感染症の急性期の症状を述べることができる

B.慢性疾患

1. 変性疾患を列挙して、その自然経過、病態を理解する
2. 慢性関節リウマチ、変形性関節症、脊椎変性疾患、骨粗鬆症、腫瘍のX線、MRI、造影像の解釈ができる
3. 上記疾患の検査、鑑別診断、初期治療方針を立てることができる
4. 腰痛、関節痛、歩行障害、四肢のしびれの症状、病態を理解できる
5. 神経根ブロック、硬膜外ブロックを指導医のもとで行うことができる
6. 関節造影、脊髄腔造影を指導医のもとで行うことができる
7. 理学療法処方が理解できる
8. 後療法の重要性を理解し適切に処方できる
9. 病歴聴取に際して、患者の社会的背景やQOLについて配慮できる
10. リハビリテーション・在宅医療・社会復帰などの諸問題を他の専門医、コメディカル、社会福祉士と検討できる

C.基本手技

1. 主な身体計測（ROM、MMT、四肢長、四肢周囲径
2. 疾患に適切なX線写真の撮影部位と方向を指示できる（身体部位の正式な名称がいえる）
3. 骨・関節の身体所見がとれ、評価できる
4. 大まかな神経学的所見がとれ、評価できる
5. 一般的な外傷の診断、応急処置ができる
   1. 成人の四肢の骨折、脱臼
   2. 小児の外傷、骨折（肘内障、若木骨折、骨端線離開、上腕骨顆上骨折など）
   3. 靭帯損傷（膝・足関節）
   4. 神経・血管・筋腱損傷
   5. 脊椎・脊髄外傷の治療上の基本的知識の習得
   6. 開放骨折の治療原則の理解
6. 理学療法の指示ができる
7. 清潔操作理解し、創処置、関節穿刺・注入、小手術、直達牽引ができる
8. 手術の必要性、概要、侵襲性について患者に説明し、うまくコミュニケーションをとることができる

D.医療記録

1. 運動器疾患について正確に病歴が記載できる
   主訴、現病歴、家族歴、スポーツ歴、アレルギー、内服歴、治療歴など
2. 運動器疾患の身体所見が記載できる
3. 検査結果の記載ができる
4. 症状、経過の記載ができる
5. 検査、治療行為に対するインフォームド・コンセントの内容を記載できる
6. 紹介状、依頼状を適切に書くことができる
7. 診断書の種類と内容が理解できる

方略

1. 指導医とともに、救急外来、病棟患者の診療にあたり、必要時は手術の助手を行うことで具体的目標の達成に努める
2. 研修期間は1カ月間である
3. 病棟回診では各疾患の病態を理解し、治療方針や入院から退院までの経過、手術の術式、検査の手順、検査の手技などを理解する。

評価

1. 研修医は、研修期間を通じて評価・指導を受ける
2. 評価はレベル1からレベル4の4段階である
3. 研修医は研修終了時に指導医および指導者によりEPOC2にて評価をうける
4. 研修医より、当該研修施設に対する評価は、EPOC2にて行う
5. 評価はEPOC2にて中国労災病院初期研修委員会に提出させる。