ワクチンの定期接種を受けましょう
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は、肺炎の原因となる細菌の1つです。肺炎球菌により引き起こされる肺炎が肺炎球菌性肺炎です。肺炎球菌以外にも肺炎の原因となる細菌やウィルスはあります。例えば新型コロナウィルス(SARS-COV-2)も肺炎の原因になるウィルスですし、マイコプラズマという細菌も肺炎の原因となります。肺炎球菌性肺炎を予防するためのワクチンが肺炎球菌ワクチンです。肺炎球菌性肺炎は特に高齢者で多い肺炎であるため、高齢者に対して、肺炎球菌ワクチンの接種を自治体が補助する制度(定期接種)があります。
ワクチンの定期接種
ワクチンの定期接種とは、一定年齢の方を対象にワクチンを接種する制度です。定期接種は自治体が費用の一部を負担します。対象者には自治体からチケットが配布され、チケットを提示すると安価でワクチン接種を受ける事ができます。肺炎球菌ワクチンの定期接種は65歳の方が対象です。肺炎球菌ワクチンの定期接種を受けた人の割合はおよそ20-40%と報告されています1)。つまり定期接種を受けない人も多いのです。
帯状疱疹ワクチンの定期接種
帯状疱疹は痛みを伴う水泡が帯状にできる疾患です。加齢により罹患率が高まります。帯状疱疹には帯状疱疹後神経痛という合併症(後遺症)があります。帯状疱疹後神経痛は痛みが長期間持続するので、生活の質を大きく低下させる可能性があります。帯状疱疹を予防するため2025年からワクチンの定期接種が始まります。対象者は65歳、70歳、75歳、
80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上の方です。対象者には自治体からチケットが送付されます。チケットを提示すると安価で帯状疱疹ワクチン接種を受ける事ができます。詳細はかかりつけ医でご相談下さい。
おわりに
定期接種は、自治体がワクチン接種費用の一部を負担する制度です。定期接種を上手く利用し、病気の発症予防に役立てましょう。
参考>
1)日本内科学会雑誌 113; 2058-2113, 2024