内視鏡科
診療科の紹介
病気は正確な診断と早期の発見で内視鏡を用いて一部治癒できる時代へと変わってきています。
当院の内視鏡科では食道・胃・十二指腸・大腸や胆嚢・胆管・膵臓などの病気を診断し各種治療を行っております。
当院では2021年より内視鏡室を改修し、鎮静剤を使用した苦痛が少ない内視鏡検査が行えるよう設備を整えています。



診察内容・特徴
主な検査
上部内視鏡検査
食道・胃・十二指腸を観察します。
胃炎・潰瘍の診断、食道癌・胃癌の診断・深達度評価を行います。
当院では、検査にともなう苦痛を緩和する目的で、検査前にミダゾラム(鎮静剤)を注射しており、楽に検査を受けていただくことができるようになっています。ただし、これらの薬物を使用した場合、検査当日自動車の運転が出来ませんので、必ず守ってください。
大腸内視鏡検査
盲腸から直腸までの全大腸を観察します。
大腸ポリープや大腸癌などの腫瘍や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を診断します。
超音波内視鏡(EUS)
内視鏡の先端に超音波端子が装備されていて、胃や十二指腸から膵臓・胆嚢・胆管の観察が可能です。
体外式の腹部超音波に比べると画像の精度が高く、死角が少ない点で優れています。
膵・胆道系腫瘍や胆道結石の診断、膵嚢胞や慢性膵炎などの観察に用いられます。
外来での検査が可能で、鎮静剤・鎮痛剤を投与して行います。
超音波内視鏡下針穿刺吸引法(EUS-FNA)
超音波内視鏡の先端部から針を出して、胃・十二指腸から近接する臓器やリンパ節を穿刺して組織を採取する検査です。
膵胆道領域の腫瘍や腫大したリンパ節の組織診断に用いられます。
主な治療・処置
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
転移の危険が少ないと判断された早期癌の場合、体への負担が少ない内視鏡的切除が選択されます。
最近はがんを含む粘膜と粘膜下層ごと切除する方法(ESD)が行われています。
ESD後の病理検査の結果、転移の危険性が判明した場合には、後日、追加外科手術をお薦めする場合があります。
大腸ポリープ切除術・大腸内視鏡的粘膜切除術(EMR)
2cm以下の大腸ポリープは、大腸内視鏡検査に引き続き内視鏡的切除術をしています。
食道・胃静脈瘤の硬化・結紮術
主に肝臓に病気のある方に多い食道・胃静脈瘤は破裂すると大出血します。
出血時や出血のリスクの高い静脈瘤に対して、特殊なゴムで静脈瘤を縛って止血したり、薬液を静脈瘤に注入し固めたりします。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
十二指腸乳頭から造影剤を注入して、膵管や胆管を造影する検査です。
ERCPは主に膵・胆道腫瘍の細胞診や組織診、胆管結石や胆管炎・黄疸の治療を目的に検査・処置を行っています。
検査を受けるには
検査 | 検査日 | 予約 | 注意 |
---|---|---|---|
上部消化管内視鏡検査 | 月〜金(午前中) | 予約必要なし | 当日の朝食はとらず 絶食で来院してください |
大腸内視鏡検査 | 月火木金 (午前から午後) | 予約が必要です | 前日下剤を内服 当日も朝来院後下剤を内服 |
内視鏡的処置について
出血性胃十二指腸潰瘍に対する内視鏡的止血術、胃・食道異物に対する異物除去術は緊急性がある場合随時行っています。消化管腫瘍の内視鏡的切除や内視鏡的胃瘻造設術は予約入院し治療・処置を行っています。
診療実績
2023年度検査件数
上部内視鏡検査 | 4,398件 |
---|---|
大腸内視鏡検査 | 1,984件 |
上下部ESD | 74件 |
大腸EMR/コールドポリペクトミー | 656件 |
上下部止血術 | 61件 |
胃瘻造設術 | 43件 |
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(EPCP) | 424件 |
超音波内視鏡検査(EUS) | 152件 |
超音波内視鏡下穿刺吸引法 | 28件 |