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麻酔科

麻酔科部長 日高 昌三

私たちは、手術室で手術を受ける患者さんの麻酔中の全身管理および麻酔科外来(ペインクリニック外来)での難治性疼痛患者さんの治療をおこなっています。

◆手術麻酔
麻酔とは、手術の侵襲から体を守るために、「痛みを感じなくする」、「不安や苦しみを感じなくする」、「手術中に動かなくする」、「急激な反射がおきないようにする」といわれていますが、それ自体が神経、循環、呼吸、など生命維持に必要とされる機能を抑制します。
そこで、われわれ麻酔科医は手術室での患者さんの、刻々と変わる手術侵襲に対する対応と、麻酔そのものによる全身への影響をバランス良く最良に保ちつつ、手術が終了した際には患者さんが手術前と同様、あるいはそれ以上の状態となるべく、手術中は一時たりとも患者さんのそばを離れることなく、鋭い感性を持って全身管理にあたっています。また手術後の痛みをなるたけ軽減できるよう様々な手技を併用しています。
これらの目的のために、日々の研鑽をつみ、手術室では高性能なモニター機器を用い、最新で安全な麻酔法をとりいれて質の高い麻酔管理を心がけています。
当院は日本麻酔科学会の認定する麻酔指導病院です。年間約3,500例の手術が行われており、局所麻酔下の小手術を除く約2,400例の手術を麻酔科医が管理しています。

年間手術件数
 
2021年度
2022年度
2023年度
全手術件数
3,230
3,287
3,447
麻酔科管理件数
2,427
2,544
2,570
全身麻酔件数
1,923
2,153
2,219
緊急手術件数
373
337
358

◆ペインクリニック
痛みは、傷などによる侵害受容性疼痛、神経そのものの障害による神経障害性疼痛、ストレス等が原因の痛覚変調性疼痛、に3分類できます。
ペインクリニックとは患者さんのあらゆる痛みを制御することを目的とする医療です。急性痛あるいは慢性痛に対し、さまざまな神経ブロック療法、薬物療法を中心とした治療を推進しています。また顔面神経麻痺、突発性難聴、網膜動脈閉塞症などに対しても耳鼻科、眼科と協力しつつ各種神経ブロック療法を行うことで治療を行っています。
外来では主に星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、イオントフォレーシス、LASER照射などの治療を行います。硬膜外持続注入を入院の上に行うこともあります。
対象疾患
帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、顔面神経麻痺、突発性難聴、頚肩腕痛、腰下肢痛、頭痛、三叉神経痛、閉塞性動脈硬化症、レイノー病、バージャー病、神経因性疼痛、癌性疼痛、多汗症、痛覚変調性疼痛

業務内容

安全で安心な患者さんの管理をめざして日々精進しています。

麻酔管理

患者さんの安全を確保するため以下の手順で皆様を見守ります。

術前診察

麻酔科が管理するすべての患者さんに対して、手術前日までに患者さんの全身状態、検査の結果、今までの病気のこと、内服の状況などを評価し、患者さんごとに最適最良の麻酔方法を検討しています。麻酔については麻酔科外来あるいは病棟で、手順や合併症が詳しく解説してある小冊子「麻酔のしおり」を事前にお配りし、さらに患者さんには手術前日に麻酔科医が麻酔(麻酔方法)について、時間をかけてわかりやすく説明するように心がけています。
手術や麻酔に対して多大な不安がありましょうから、術前診察の際に何なりと聞いていただければ、より安心した気持ちで手術に臨めると思います。最近は高齢の患者さん、リスクの高い患者さんが手術に臨まれることも多く、長時間にわたる手術も増えております。術前の十分な評価が適切で安全な麻酔につながると考えております。些細な事でも結構ですので麻酔科医におしらせいただけますと幸いです。

手術室

当院の手術室は8室あり、すべての部屋に高性能の空調設備、最新のモニター、高度な手術機器が設置されています。麻酔科が管理させていただく患者さんには必ず麻酔科医が1名以上配置され、手術の間患者さんの状態を一時たりとも離れることなく見守ります。また手術室看護師は手術中の患者さんの看護を行います。当院手術室は高度な「人」、「技術」、「物」が集結しており、安心して手術が受けられます。

術後診察

手術後は麻酔科医が、担当した患者さんの病室に伺い、患者さんの全身状態をチェックします。術後気になることがあれば、なんなりと相談ください。また術後痛をなるべく少なくするよう配慮しています。

院内における麻酔科の活動

当院では呉市消防局救急救命士の就業前教育や気管挿管・薬剤投与病院研修の実習生を積極的に受け入れています。当院で実習された救急救命士の方が実際に救急現場で気管挿管を行い救命に貢献されております。予定手術を受けられる患者さんに救急救命士の気管挿管実習のご協力をお願いすることがありますのでご了承ください。
呉市内の公的病院と協力し、救急蘇生の講習会(ICLS)を年3回、院内で年数回の一次救命処置(BLS)講習会を開催しています。
また、広島大学をはじめ近隣の大学の医学生の見学、臨床研修医の研修を積極的に行い、将来、我々と一緒に臨床麻酔学を学ぶ若者の育成に努めています。

スタッフ一覧表

役職名 氏名 専門分野・資格・その他
部長 コガ トモミチ
古賀 知道
日本麻酔科学会 麻酔科専門医・指導医、医学博士
部長 ムラカミ シュンスケ
村上 俊介
日本麻酔科学会 麻酔科専門医
特任院長補佐 ナカガワ イツオ
中川 五男
内科全般、救急集中治療、医学博士
日本救急医学会 救急専門医
救急医学会 ICLSインストラクター
日本DMAT隊員 統括DMAT
日本麻酔科学会 麻酔専門医・指導医
日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医
広島県メディカルコントロール協議会部会委員
呉市災害医療コーディネーター
呉市災害医療委員会委員長
広島県院内移植コーディネーター
特任院長補佐 ヒダカ ショウゾウ
日高 昌三
医学博士、日本麻酔科学会 麻酔科専門医・指導医、
日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医
医員 スガ ハルカ
菅 春香
 
医員 マエ ユウヘイ
前 雄平
 
医師 コジョウ ナオト
古城 直人
 
医師 オチ ユイ
越智 柚衣
 

診療担当表

新患外来受付:月~金  午前8時30分から午前11時まで

中川   日高   古賀

詳しくは麻酔科外来にお尋ねください。

治療と仕事の両立支援

当院では、治療就労両立支援センターと協力して、治療と仕事の両立支援に取り組んでおります。
治療と仕事の両立支援の詳細ついてはこちらからご覧ください。

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