診療科・診療支援部門診療科・診療支援部門

救急部・総合診療部

救急部・総合診療部長 酒井 浩

われわれは「輪」で救急医療を推進します。

救急医療は、初療を担当する救急部スタッフ・各科当直・待機医師、それを引き継ぐ専門治療スタッフ、これらの活動を支えてくれる看護師・技師スタッフ、そして日常生活への復帰を支援するリハビリスタッフなど、専門集団の「輪」が連なって成立しているチーム医療です。当院では、年間15,000名前後の救急患者が、救急外来を訪れます。これに対し、ICU・救急医療を専門に対応する常勤医師2名が日勤帯の救急患者初療を実施し、4名の医師が毎日当直し、全科が常に待機を行い、また薬剤師、放射線技師、検査技師、事務職も当直体制を敷いています。こうしてたくさんの救急患者さんを受け入れ、固いチームワークで病院をあげて救急医療に取り組んでおります。今後も地域の皆さまのニーズに応えるべく、全力で救急医療の「輪」を堅持してゆきたいと考えています。

業務内容

当院は救急科専門医指定施設であり、災害拠点病院、地域周産期母子医療センター、地域医療支援病院、緊急被ばく医療協力病院など救急医療にかかわる多くの施設承認を標榜しています。また、当院には大規模災害超緊急期に出動支援を行う、専門的な訓練を受けたDMAT(Daisaster Medical Assistance Team)が11名在籍し、大災害発生時の対応に備えています。

救急外来

2022年は年間14,888人の救急外来患者、3,427台の救急車搬入患者がありました。これらの患者さんに対し、24時間体制で各科急患担当医師が対応します。時間外勤務帯には、さらに内科系、外科系、小児科、ICU医師の4人体制で当直を行ない、救急車の受け入れを含めた救急患者様へのきめ細かい対応を目指しています。労働災害に関連した疾患は積極的に受け入れを行なっております。
救急部にはCT、シネアンギオ装置などの専門的な検査、診断装置が隣接しており、放射線技師、検査技師、薬剤師が24時間体制で配置され、検査、診断、薬剤処方等に対応しております。

当院には救急搬送用のヘリポートが設備されており、遠方からの救急搬送に大きな役割を果たしております。特に当院は島嶼部からの来院も多く、広い医療圏を有しており、ヘリコプター搬送が有用であった事例が少なくありません。また、災害拠点病院の機能として重要な保有設備の1つとなっています。2014年5月1日より広島県ドクターヘリ運用が開始され、その第1症例目は当院に搬送されました。2022年のヘリコプター年間搬送数は20件でした。

集中治療部

集中治療部は、厚生労働省の認可を受けた特定集中治療病床(ICU)が8床あり、年間500~600例前後の入室患者があります。脳・循環器疾患をはじめ呼吸不全、多発外傷など多彩な重症疾患に対し、各科から専門医師が対応しています。ICUにはICU専属医師3名が常勤しており、患者様の呼吸・循環管理に当たります。
主な入室患者は、狭心症、心筋梗塞、大動脈破裂、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など脳・循環器疾患が多いのが特徴ですが、多発外傷、急性呼吸不全、脊髄損傷、薬物中毒、重症熱傷など多岐にわたっております。

救急外来関連患者数
 
2019年度
2020年度
2021年度
2022年度
救急外来患者数(1日平均)
13,437人(37.2人)
11,895人(32.5人)
13,980人(38.3人)
14,888人(40.8人)
救急車搬送件数(1日平均)
3,589台(10.0台)
3,056台(8.4台)
3,163台(8.7台)
3,427台(9.4台)
救急外来経由入院数(1日平均)
3,868人(10.6人)
3,397人(9.3人)
3,581人(9.8人)
3,499人(9.6人)
ICU入室患者数
509人
540人
499人
477人
来院時心肺停止患者数
94人
89人
84人
94人
2022年度診療科別救急外来患者数(合計14,888人)
診療科
患者数
診療科
患者数
内科
5,609人
皮膚科
386人
精神科
0人
泌尿器科
192人
脳神経内科
404人
産婦人科
326人
小児科
4,033人
眼科
0人
外科
583人
耳鼻咽喉科
256人
整形外科
2,109人
放射線科
9人
脳神経外科
854人
麻酔科
66人
心臓血管外科
57人
歯科
4人
ICU 入室患者
 
2019年度
2020年度
2021年度
2022年度
内科疾患
236人
272人
290人
246人
外科疾患
88人
102人
47人
77人
脳神経外科・神経内科疾患
77人
88人
96人
62人
整形外科疾患
44人
37人
28人
40人
心臓血管外科疾患
14人
9人
8人
21人
その他
50人
32人
30人
31人

活動実績

当院では呉市消防局救急救命士の就業前教育や気管挿管・薬剤投与病院研修の実習生を積極的に受け入れています。当院で実習された救急救命士の方が実際に救急現場で気管挿管を行い救命に貢献されております。
当院ICUにおける2021年度の重症評価(APACH Ⅱ)では、手術患者(154人)、非手術患者(345人)の平均はそれぞれ14.1、18.3であり、死亡率はそれぞれ5.1%、8.9%であり、いずれも予測死亡率(7%、24%)を下回りました。また、すべての患者の入室時SOFAスコアは2.80でした。

主な検査医療機器

CT(2基)、MRI(2基)、一般X線撮影装置、超音波診断装置、シネアンギオ装置、IABP(2台)、PCPS、人工呼吸器(14台)、血液浄化装置(2台)、気管支鏡検査装置(3台)、各種血液検査装置

スタッフ一覧表

役職名 氏名 専門分野・資格・その他
部長 サカイ ヒロシ
酒井 浩
日本救急医学会専門医
日本DMAT隊員
部長(兼務) コガ トモミチ
古賀 知道
日本救急医学会 専門医
医長 ムラオ マサキ
村尾 正樹
日本救急医学会 専門医
特任院長補佐 ナカガワ イツオ
中川 五男
内科全般、救急集中治療、医学博士
広島大学医学部救急科臨床教授
日本救急医学会 救急専門医
救急医学会 ICLSインストラクター
日本DMAT隊員 統括DMAT
日本麻酔学会 麻酔指導医、
日本麻酔学会中国四国地方会 代議員
日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医
日本ペインクリニック学会中国四国地方会代議員
広島県メディカルコントロール協議会部会委員
呉市災害医療コーディネーター
呉市災害医療委員会委員長
日本職業・災害医学会 評議員
広島県院内移植コーディネーター

診療は年中無休、24時間体制

お願い

1
当院救急部は、生命に危険のある方、より重症の方を優先的に診療しております。時間外は特に診療に当たる職員数が限られますので、軽症と思われる方は一般外来にお回りいただくか、お待ちいただくことがあります。ご了承ください。
2
以下の症状が急に現れた場合は、生命に関わる病気の可能性があります。救急外来にお越しください。
  • これまでに経験のない激しい頭痛、吐き気:クモ膜下出血の疑い
  • 突然の意識障害、手足の麻痺、言語障害:脳卒中の疑い
  • 突然の激しい胸痛:狭心症の疑い
  • 突然の背中や腰の激しい痛み:大動脈破裂の疑い
3
呉市医師会では夜間救急センターを以下のように運営しています。
場所:呉市医師会病院 1階
診療時間:小児科 19時~23時 / 内科 19時30分~23時
内科・小児の軽症の受診については呉市医師会夜間救急センターをご利用ください。

治療と仕事の両立支援

当院では、治療就労両立支援センターと協力して、治療と仕事の両立支援に取り組んでおります。
治療と仕事の両立支援の詳細ついてはこちらからご覧ください。

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