【講演3】 脳卒中後のリハビリテーションについて |
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吉田 康兵 さん マッターホルンリハビリテーション病院 理学療法士* はい。ご紹介ありがとうございます。あらためまして、呉市にあるマッターホルンリハビリテーション病院の理学療法士をしております吉田と申します。 今日はよろしくお願いいたします。(拍手) タイトルは脳卒中後のリハビリテーションとなっているのですが、もちろん栄養管理とか、血圧管理とか、こういったところも重要なんですけれども、 まずは回復期病院というものがどういったものなのかっていうところと、呉市はかなり高齢化が進んでおりますので、入院する期間、 さきほど半年と言われておりましたけれども、それがどんどん短くなっております。短くなっていく中で次にどうつなげていくか、 運動の重要性といったところも伝えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に回復期病床というものは、最大限の機能回復、麻痺をしてしまうと、なかなか動かなかったりとか、歩けなかったりするので、そういった腕が動きやすい、 歩きやすいといったろころまで機能を高めていきながら、ADLというのが後から出てきますけれども、日常生活、歩く、トイレに行く、立ち上がる、 そういったものにつなげていって、最終的に社会復帰を目指す方は社会復帰をしていきたいというところです。そのあと維持期等もありますが、 今回はこの回復病床を中心に話をしていきます。
次に検査測定。運動機能、生活能力というものがあるんですが、要は麻痺の腕が動くか動かないか、動かないんだったら、今度はトイレに行けるかどうかとか。 腕が動くか動かないかっていうのが運動機能。トイレに行けるか行けないか、そういった大きな生活範囲の中のものが生活能力なんですが、 そこの検査をしていくのに、まず認知機能。高齢の方が多いので、ちょっと物忘れがあったりとか、そういったところっていうのは、 リハビリに少し支障をきたすこともあります。あとは重要なのは麻痺の程度。全然動かないのか、少しは曲げたり伸ばしたりできるのか、 腕が曲がって伸ばしても手が動いているのか、そういったものを見ていきます。あとは足の力。足の力がちゃんと入るのか。 立って足を地面につけてしっかり支持できるのか。で、歩く力。歩く力はどれくらいの速さで歩けるのか。6分間歩行試験というのがあるのですが、 6分間すーっと10mコースをぐるぐる回ってもらいます。全力で。どのくらいの距離を歩けたかによって、その人の能力が分かります。 あとは各日常生活の動作能力。さきほど言ったトイレとか、入浴とか、食事とか、清容、髪の毛を触ったり、お化粧したりといったところも見ていきます。 あとは問診です。聞いていろいろ確かめるんですが。まず予後予測として重要なものとしては、発症前の活動範囲とか移動状況、 要は発症前の能力というところが言われています。あとはリハビリを進めていくうえで、どれも重要なんですが、自宅内での役割。 これが今後できるかどうかというゴール設定というか、目標設定に中で重要なものになります。たとえば役割というと、家事をするかどうか。 男性でも最近家事をされてる方多いので、どのくらいの家事をしないといけないのか、選択をたたむぐらいでいいのか、 洗濯機につめて干すところまでやらないといけないのか、あとは畑を持ってる方も多いので、そういった役割っていうのも重要になります。 麻痺が改善したら畑ができるかどうかていうところも将来的に見ていくのが私たちの役割です。あと、生活動作のスタイル。 簡単に言えば入浴動作のひとつをとると、シャワーだけで済む方と、ちゃんと浴槽に浸かりたい方といらっしゃるので、個人によってまた変わってきます。 なので、一概に入浴というわけではなくて、シャワーだけなのか、入浴もしたいのか、そういったところも確認していきます。あとは意外と、自宅内の段差、 皆さんのご自宅も多いとは思いますが、1cm違うだけで、つまづく方がどんどん出てきます。 もしかしたら皆さんの中にもそういったところ自覚されている方もいらっしゃるかも知れませんが、麻痺があるとつま先が上がってこないので、 その1cmを上げることがすごく大変な場合がよくあります。それにつながって階段がどれだけあるのか。家に手すりはどれだけあるのか。間取りはどうなのか。 ベッドから食事をするところまで、もしくはベッドからトイレまで、そういった動線の長さはどうなのか。そういったところを細かく見ていくので、 皆さんからすると、そんな情報までなぜ教えないといけないのかという方がたまにいらっしゃるんですが、こういったところを知ってこそ、 これからの目標設定ができるので、その辺は教えて頂きたいところです。
これはですね。「いきいき百歳体操」というのは、またあとで話が出てくるかと思うんですが、高知県から始まった体操です。 (なんとかぎこちなく再生が始まる) はじめ紹介程度に流していきます。 この体操が呉市の事業でも取り組まれています。・・・まず深呼吸から。お隣の方にぶつからないようにやってみてください。 (会場の皆さんが立ち上がって体操を始めています)・・・動画が止まってしまいますね。(動画再生専用ソフトではないので、映像が時折止まってしまします) ・・・動画は気にせずやっていきましょう(笑) この中でも結構キツイ体操があるんですが、椅子からの立ち上がり運動をやってみましょう。(立ち上がり運動の動画を再生する)・・・ まだ座っておいてくださいね。・・・ゆっくりです。・・・はい、立ちましょう。ゆーっくりです。・・・1、・・・2、・・・3、・・・4、・・・5、 ・・・6、・・・7、・・・8。・・・この時にですね、早く立ち上がりすぎると足の力を使っていないので、(吉田さん中腰にかがんだまま)ゆっくり、 この位置を長く保つようにしてください。ちょっと浮いてるぐらい。1回一緒にやってみましょうか。 はい、(会場が一斉に動きます)・・・1、・・・2、止めてください・・・3、そっからゆっくり・・・4、下がります・・・5、・・・6、 (ギブアップ者が何人か…)まだ座らないでくださいね、ここで止めてくださいね。この辺が硬くなってますよね前側が。そこを鍛える運動です。 はい、これをまた動画を流してやっていきますが。(動画開始)いまのを踏まえて。・・・次から立ち上がりです。 (カウントを始めたところで動画が止まった)うまくきかないですね。なかなか。・・・まあ、という運動があります。これがですね、 10セットぐらい繰り返されます。10セットめには、僕たちもしんどいくらい負荷がかかっているので、変に重りとかを使わなくても、 こういった運動だけで筋力が上がってくる方もいらっしゃいますし、これを紹介されるときによくあるのが、90歳のはじめは全然歩けなかった高齢者の方が、 最終的に杖で歩けるようになる動画があったりします。これから多分耳にすることが多くなってくると思うので、こういった運動、 体操があるということは知っといてください。 それでは私の発表を終わります。ありがとうございました。(拍手)
(*講演当時のものです)
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