豊田: |
日本脳卒中協会という脳卒中を撲滅しようという全国的な組織があります。
この協会ではその趣旨に賛同する企業のサポートも得て、日本の脳卒中医療に携る錚々たるメンバーに依頼して、
このような立派な市民公開講座用のスライドを作っておられます。そして全国で市民啓発のために使ってくださいと配布してくれています。
今日はこのスライドをお示ししながら、更にここにいらっしゃる各分野の専門家のご意見も交えて、皆さんと一緒に勉強していきたいと思っていますので、
どうか最後までお付き合いください。
まず、脳卒中って何でしょう…、脳血管障害というのが正式な名称ですが、要は急に脳にあたるということで、ついさっきまで元気だったのに、
突然の変化を来たす病気です。スライドにありますように、脳卒中には、大きく分けて脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つの病型があります。
この脳卒中の病型診断については、是非とも神経内科の杉本先生に説明をお願いしたいと思います。
実は皆さん、今日は台本も何も無い状況で、こうしていきなり話を振っています。いわば真剣勝負でやっていますので、緊張感を持って楽しんでくださいね。
では杉本先生、ご説明をよろしくお願いします。
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杉本: |
本当にいきなりなんですね(笑)。はい、では説明させていただきます。脳梗塞と脳出血とくも膜下出血、簡単に言うと3つを合わせて脳卒中と言うとことですが、
簡単にいえば、血管が詰まれば脳梗塞、血管が破綻すれば脳出血ですが、くも膜下出血は別に分けています。
脳梗塞には大きく分けてさらに3つの病型がありまして、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症に分けられます。
これらをなぜ分けているかと言うと、再発予防のための治療法がそれぞれ違うんですね。対処方法が違うので区別をする必要があります。
簡単に言うとそういうことになりますね。
脳出血は脳の中で起きやすい部位とかいろいろあるのですが、とにかく脳組織の中に出血すれば脳出血といいます。
くも膜下出血は脳の表面にある比較的太い動脈にできた脳動脈瘤という血管の瘤が破れて、脳の表面のくも膜という膜の下に出血して起こります。
激しい頭痛とか、そういう症状が出てきます。
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豊田: |
ありがとうございます。あとでそれぞれの詳しいスライドが出てくると思いますので、そこでまた細かい話を伺いましょう。
脳卒中には大きく分けて脳梗塞と脳出血とがあるということですね。今日は神経内科と脳神経外科の先生がいらしてますけど、どちらが専門とかいうのはあるのでしょうか? 主に脳梗塞のほうは神経内科の先生が診るという分担でよろしいですか?
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杉本: |
えー、そうですね、中国労災病院では脳梗塞を神経内科で診ていて、脳出血を脳神経外科の先生に診ていただいています。出血をすると手術が治療の選択肢に入ってきますので、
最初から診ておいていただいたほうが手術適応のある患者さんには対応しやすいということもありますので、そういう風に分担しています。
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豊田: |
ありがとうございます。もちろん地域で違うようですね。日本全体でみますと、我々が住んでいる西日本では脳卒中専門医の数は多いようです。
ですから神経内科で脳梗塞を診て、脳神経外科で脳出血の手術をするというように分担していますけど、東日本とか北日本に行くと、
まだまだ神経内科医が少なかったりしますので、脳外科だけで診ているところも多いと思います。つまり脳卒中を看る医師の数は西高東低ですね。
広島県内でみても県北と比べると呉は多いんですよ。このように医療機関の地域差もあります。そういう意味では皆さんは恵まれた地域に住んでいると思いますね。
さて、ここで会場からいただいています質問にお答えしたいと思います。脳梗塞には3つのタイプがありますということですが、
「歳をとったらラクナ梗塞になるのですか?」という質問をいただきました。出演者の皆さん、どうでしょう?
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杉本: |
そうですね。必ずしも歳をとれば全員がラクナ梗塞になるわけではありません。脳梗塞のリスク因子というのがあります。
分かりやすく言うと、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、そういうものがきちんと管理されていないと、明らかな症状は出ていないけれども、
MRIなどで詳しく調べてみたら脳梗塞になっていたっていうことがあります。それを一般的には隠れ脳梗塞とか、医療の世界では無症候性脳梗塞と言ったりします。
こういう場合に、無症候だけど画像を撮ってみたら脳梗塞の所見があるので、「歳を取ったら、ある程度の割合で見つかるんですよ。」と言う風に説明されるケースが多いのかも知れません。
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豊田: |
ありがとうございます。皆さん、大きく分けて、血管が詰まるほうの脳梗塞と破れるほうの脳出血があるということをお分かり頂いたと思います。スライドの写真で見るとこの白い部分が脳の中の出血ですよね?
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杉本: |
そうですね。CTだとそうです。
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豊田: |
皆さんは、頭のCTを撮ってもらったことがありますか?…(会場で何人か手が挙がる)結構いらっしゃいますね。ではMRIっていうのも聞いたことがありますか?
皆さん結構ご存知ですね。最近は皆さん色々と詳しくて、病院に来られると直ぐに「CTよりも詳しいMRIを撮ってくださいや」って言われる方もいらっしゃいますけども、
なかなか、順番待ちもあったりします。また、出血ではCTの方が診断しやすい場合もあったりします。病状によって検査も変わってきますのでね、ちゃんと診察を受けてからになると思います。
これがさきほど説明いただいた脳梗塞の病型ですね。このラクナ梗塞、アテローム脳梗塞…、さっき言われた治療が違ってくるというのはこういうことですよね?
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杉本: |
そうですね。ラクナ梗塞には定義がありまして、大きさで分けるんですね。梗塞の大きさが1.5cm未満の場合をラクナ梗塞と言いますが、
1.5cm以上だと違う病形に入ってくるという決まりがあるんですね。それによって治療薬が変わってきます。そういう感じで分けたりします。
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豊田: |
確かに心臓から飛んで来るような大きな血の塊で血管が詰まる場合と、動脈硬化が原因で脳の中の血管そのものが細くなってくるものとでは違いますよね。
動脈硬化が原因になっている場合のリスクは生活習慣の中に原因が多いようですね?
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杉本: |
そうですね。はい。
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豊田: |
これをきたすものは、高血圧、タバコ、糖尿病、コレステロールですよね。このへんに関するものは、皆さんもよく耳にすると思いますが、
「死の四重奏」とか「メタボリック・シンドローム」とかあると思いますけど、こういった因子に一つ一つ対処していくことが予防になるわけですね。
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杉本: |
そうですね。はい。ここラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞とが並べて書いてあのは、要因については共通だからですね。
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豊田: |
なるほど、脳梗塞の大きさは写真の上でも明らかに違うし、病型としても種類は別に分けてありますけれども、原因は一ほぼ緒ということですね。
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杉本: |
そうですね。
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豊田: |
皆さんも、リスク因子に心当たりがあれば、ちゃんと予防しておかなくちゃいけませんよ。では次のタイプをお願いします。
これがもう一つの脳塞栓といわれるタイプですね。心臓から血栓が飛んで行って、比較的太い血管に詰まってしまうので、大きな脳梗塞を起こしますよね。
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杉本: |
そうですねえ。
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豊田: |
この原因は心臓にあるわけですね。心房細動、心筋症…。これは心臓の専門である松田先生にお伺いしたいですね。心房細動、心筋症、こういった言葉はよく聞くのですけど、一体どんな病態なのでしょうか。
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松田: |
そうですね、あの、主な原因は心房細動になるのだと思います。心房細動があって心筋症があるとか、心臓弁膜症があるとか、洞不全症候群があって、
脳塞栓が起きやすくなるということなのです。心房細動が原因の脳塞栓を起こされた方は、よく聞かれるのは長嶋元監督とか、小渕元首相とかですね。
小渕元首相の場合は心房細動から脳梗塞になられて、さらに脳出血になられて亡くなられましたし、
長嶋元監督は心房細動でたまに胸がドキドキするけど「我慢できるわ」と言ってほっといて脳梗塞になっちゃったと伝え聞いています。
とにかく心房細動は不整脈の一種で、脈が不整になって、心臓の一部、左心房というところで血液がうっ滞することによって血の塊が出来てしまい、
それが何かの瞬間に飛んで、その先の血管に詰まってしまうというメカニズムです。詰まった場所が心臓の血管ですと心筋梗塞ですし、脳の血管が詰まれば脳梗塞なのです。
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豊田: |
このスライドのように心臓でできた血の塊がポーンと飛んでいって頭の血管などに詰まるということですよね。心臓以外ではどんなところに詰まりますか?
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松田: |
そうですね、我々の守備範囲である循環器分野で言えば、心臓の血管に詰まって心筋梗塞になられる方もいらっしゃいますし、
足などの血管に詰まる動脈血栓症というのもあります。この場合急に足の血管が詰まりますので、
足が真っ青になって痛みが出て手術で取り除かないといけないことがあります。まあ、身体中どこの血管にも詰まる可能性があるということになります。
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豊田: |
この「心房細動」という言葉はよく耳にするのですが、実際にはどんな症状なんですか?
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松田: |
そうですね、多い症状はですね、発作性、つまり瞬間的に脈が不整になる、脈が速くなって、不整になって、ドキドキするということが起こります。
これを放っておくと慢性化するというのが一般的なのですが、たまたま健診で慢性化して見つかるとか、心房細動自体の症状がない方もおられます。
ですから、通常症状があるとすれば、急にドキドキするというくらいです。逆に症状がない方もおられるので発見が遅れることもあるような不整脈です。
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豊田: |
なるほど、そうすれば心電図をとってみないと分からないということも多いのですね?
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松田: |
そうです、健診で初めて言われたという方も多いです。
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豊田: |
そうですか、キレイな人を見て胸がドキドキするというのが突然あっても、それは大丈夫でしょうか?
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松田: |
それも時には心房細動かも知れないですけど(笑)、一般的には大丈夫です。
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豊田: |
本当に大丈夫ですか?(笑)
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松田: |
そんな時は私もドキドキしますから。(笑)
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豊田: |
そうですか(笑) まあ、そういう急にドキドキする時は、ご自分で脈を取ってみたらいいのでしょうかね?
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松田: |
そうですね。よく心臓の持病がある方には脈をとってくださいて言うんですけど、なかなか慣れないと難しいものです。
3本の指を使って、手首の親指側の部分、ここの部分を触るとどこかでビクビクと動くところがありますので、
そのビクッと動いたのが心臓が1回打っているということになるので、ビクッと打つのが1分間に何回打つかが心拍数ということになります。
そして、普通の方はそれが規則正しくビク・ビク・ビク・ビク・という形ですけど、心房細動の人はビクビクビク・ビク・ビク・ビクビクという感じで不整になってきます。
一般的にはその脈が取れればご自分で判断しやすいのではないかと思います。
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豊田: |
時々、ご自分で脈を測ってみて、ドク・ドク・ドクと規則正しければいいですが、ドコドコドコと変なリズムが来たときには気をつけたほうがいいかも知れません。
そういう場合は循環器内科の先生に診てもらえばいいですね? それから、この心房細動というのは歳を取ることでなることが多いのですか?
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松田: |
そうですね。いろんな統計があるので一概には言えないのですけど、一般的には80歳を超えると約1割の方が心房細動になっているのではないかと言われています。
心房細動になる因子として一番大きいのは年齢ということですので、年齢が上がれば上がるほど心房細動を持っておられる率は上がるという風に言われています。
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豊田: |
これは全て治療の対象になるのですか?
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松田: |
そうです。心房細動になった段階で、通常の方の5倍以上脳梗塞になる頻度があると言われているので、見つかった時点で治療対象になります。
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豊田: |
じゃあ、会場のみなさんも脈に気をつけたほうがいいですね。若いうちから心房細動があったら、さらに気をつけたほうがいいですね。
松田先生ありがとうございました。
次は脳出血についてですね。脳内の血管の細い枝が高血圧にさらされて傷んで出血をするということでしょうか。これは脳外科の先生に聞いてみましょうね。
三好先生いかがでしょうか? やっぱり原因は高血圧ですか?
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三好: |
そうですね、一番多い原因は高血圧ですけれども、お歳を召されるとアミロイド血管症といって、血管にアミロイドという蛋白の一種が引っ付いてきて、
それで出血されることもあります。さらに他の原因として脳動静脈奇形やもやもや病などがあります。もやもや病というのはそうあるものではないですし、
基本的に高齢発症というのはほどんどないので、ある程度のお歳の方は心配されなくても良いのではないかと思います。
脳動静脈奇形に関してはいろいろなものがあるのですが、手術を必要とするものもありますし、
手術はあんまりしないほうがいいんじゃないかと言われているものもありますので、状況に応じて対処するいうことになります。
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豊田: |
そうですか、ほとんどがこの高血圧が原因となる脳出血ということですね?
血管奇形とか、もやもや病みたいなものはある程度限られたものということですね。こういった血管の異常だけでは普通は症状は出ないということですか?
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三好: |
そうですね、まれにてんかんの症状、つまり痙攣を起こすとか、一時的に意識がなくなるとか、言葉が出なくなるとかで気付かれることもあります。
頭痛で気付かれることもありますけれど、そんなにしょっちゅうあるものではないですね。
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豊田: |
とにかく血圧が一番悪さをするので、血圧をちゃんとコントロールしましょうということですね。
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三好: |
そういうことです。
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豊田: |
ありがとうございます。次のスライドをお願いします。
もうひとつの出血の原因としてくも膜下出血があります。皆さん聞いたことありますよね、くも膜下出血。最近と言ってもちょっと前ですが、
マツダスタジアムで試合前の練習中にカープからジャイアンツに移籍した木村コーチが倒れて、くも膜下出血で亡くなられましたよね。
三好先生、これはどういう病気でしょうか?
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三好: |
くも膜下出血の原因で一番多いのは脳動脈瘤という血管に出来た瘤の破裂です。さきほどあった脳動静脈奇形とかもやもや病でも起こることはありますが、
だいたいの方は動脈瘤ですね。ある程度の年齢になると脳動脈瘤が多いです。こちらの図7にあるように、血管の分かれ目のところに血の流れの力が加わってそこの壁が脆くなると、
あたかも焼いた餅が膨らむように引き伸ばされてコブができます。とくにコブの柔らかいところから血が噴き出して、脳の表面に出血します。
少量であれば軽い頭痛か吐き気ぐらいのこともあるのですが、出血量が多くなると、頭の中っていうのは頭蓋骨で囲まれた限られた空間ですので、
そこにたくさん出血すると頭蓋内圧と言いますが、頭の圧が上がります。そうすると脳が圧迫されて活動できなくなり、意識がなくなってしまいます。
最悪の場合はそのまま治療もできないような状態で死亡されるということもあります。
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豊田: |
動脈瘤っていうものは、破れなければ症状はないですか?
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三好: |
そうですね。動脈瘤があるからといって、それだけで頭が痛いのかといえば、そういったことはまったく関係ないです。
なので、コブがあるかないかというのは正直なところMRIなどの検査をしてみないと分かりません。
こうしてしゃべっている私自身もコブがあるかどうか分かりません。
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豊田: |
では、皆さんが脳ドックとかを受けて、たまたまコブが見つかる場合もありますよね。この場合はどうしたらよろしいですか?
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三好: |
脳ドックで見つかったから、じゃあすぐに破裂するというわけではありません。大きさとか、形とか、
出来る場所とかいろいろな要因があって破裂の危険性というものが決まると言われております。
で、大きさに関しては2-3mmとかの小さいものだと破裂する可能性は低いと言われています。だいたい1年に1%以下と言われておりますが、
かといって絶対破裂しないというわけではありませんので、注意するに越したことはないと思います。たとえば血圧が高い方とか、
タバコを吸う方は破裂する危険性が高いといわれていますので注意していただく必要があると思います。
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豊田: |
その動脈瘤が見つかった人が治療するとしたら、どういった治療があるんですか?
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三好: |
脳動脈瘤の治療は基本的には予防治療ということになります。仮に出血された方でもですね、やる治療は予防治療となります。どういうことかといいますと、
破裂した場所を裂けないようにする治療しかないわけです。昔ながらの確立された治療法では、頭蓋骨を開けて顕微鏡で動脈瘤の外観を直接確認しながら、
金属のクリップでコブの首根っこを摘んでしまう手術です。これを開頭クリッピング術と言います。
一方で、ここ10年ぐらいで増えてきている治療法がカテーテル治療です。コイル塞栓術といいますが、股関節あたりの太い動脈を穿刺して、
そこからカテーテルという細い管を頭の中のコブある場所まで挿入していって、コブの中にプラチナでできた金属のコイルを血管の中から詰めて動脈瘤の中の血の流れを止めてしまおうという手術ですね。
どちらの治療法も動脈瘤の血の流れを止めようということは一緒なんですが、手術にかかる時間だとか、手術のあとの日常生活まで復帰できる時間というのが若干差があると思います。
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豊田: |
まあ、たまたまコブが見つかった方にしてみれば、爆弾を抱えているようなものですよね。年間1%の確率といっても、破裂した方にとってすれば100%ですので、
おそらく指摘された方は悩むと思いますね。そこで、もしもコブが見つかった時には、予防的な手術の治療はあるとしても、どうしたらいいでしょうね?
本当に悩むと思いますね。先生ならもしご自分にコブが見つかったらどうします?
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三好: |
そうですね。これはちょっと色んな考え方がありますし、先ほど豊田先生がおっしゃったように、1%以下と言われてもご本人が発症されれば100%ですので、
自分だったらどうするかと言うと、確かに悩みますね・・・。まず、最初に見つかった段階では、1cmを超えるようなすごく大きいものや、いびつな形をしていて、
今にも破けそうなコブというものでなければ少し考える時間が欲しいので様子を見ると思います。
脳ドックでもですね、その時点で明らかに破裂リスクが高いとかでなければ、3から6ヶ月は経過をみましょうと言う風に言われておりますので、
そうすることの方が多いです。ただ、あくまでもそうすることが多いということですので、最初に指摘された時点からすごく気になって夜も眠れない、
もうそれがあるだけで怖いんだという方であれば、最初から予防手術を考えることもあります。
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豊田: |
なるほど。先生でも悩ましいということも良く分かりました(笑)。
つまり、破裂しやすくなる大きさとか形というのがあるので、最初に見つかったら、半年後にもう一度とか、主治医と相談しながら経過をみることが大切だということですね。
とはいえ、人は嬉しくない指摘を受けたら舞い上がってしまうことも多いですよね。経過を見なければいけないのに、
あちこちいろんな病院を走り回るということもよく聞かれますが、これはいかがなものでしょうか?
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三好: |
そうですね。同じレベルの機械で検査しないと、撮り方が若干違うだけで大きくなって見えたりとか、形が違って見えたりします。
解像度が悪い機械で撮ると、実は動脈瘤があるのに写らないこともありますので、経過を見るなら出来るだけ同じところで撮ることが重要でしょう。
あるいはどうしても違う病院で見てもらいたいんだということであれば、最初の画像を提供して頂けるようお願いするのがいいと思います。
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豊田: |
主治医とよく相談をして、もし他でも確認してもらいたいというご希望でしたら、写真などの資料をもらってください。
セカンドオピニオンという方法もありますからね、まあ、あるとわかったら気になって夜も眠れないという方であれば早目に治療でしょうし、
自分の命のかかることですからね、とにかく、よくよく相談するしかないのでしょうね。ありがとうございました。
さあ、ここまで脳卒中の各病態について勉強して来ました。そして、この発症にはいろんな危険因子が関連してきます。
脳卒中に良くない生活習慣というのがこのスライドに挙げられています。脳卒中に良くない生活習慣と書いてありますが、
やっている方は気持ちいい生活かも知れませんね。見てください!美味しいものを食べていますね、ステーキ食べて、ケーキ食べて、運動もせずにゴロゴロしています。
お酒も飲んでこれほど楽しい世界はないと思いますが、これらは全て脳卒中には良くない生活習慣ということになります。食事のこと、それからお酒、タバコですね。
さきほど話を伺った心房細動、お塩のこと、血圧のことなどたくさんあります。この因子について一つずつ今からチェックしていきたいと思います。
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(*講演当時のものです)
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