中国労災病院からのお知らせ中国労災病院からのお知らせ

2023年 新年のご挨拶

2023.01.04

 

皆さん、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

2022年は全世界的に大変なことが起きました。勿論、新型コロナウイルス感染症の世界流行pandemicが継続していますが、諸外国の取り組みは日本に比して前向きです。ある意味、楽観的とも考えられます。もう一つは、ロシアのウクライナに対する一方的な侵攻による戦争です。毎年年末には世相を表す漢字が選ばれますが、令和4年を表す漢字は、「戦」でした。医師の間でも令和4年を表す漢字として同様に「戦」が選ばれました。医師の場合には、先に述べました、「コロナとの闘い」と「ロシアのウクライナ侵攻による戦争」を意味していると思われます。

 

この原稿を書いている令和4年12月下旬は、丁度広島県のコロナ感染の第8波の最中で、広島県が独自に定める緊急フェーズ2に入ったところです。ウイルスは本来自分が生き延びていくために、感染力を増す一方、弱毒化して感染個体の致死率は下げます。従って生体内(この場合はヒトの身体内)にはびこる(蔓延る)性格が強くなってきます。今まさにその状況で、感染症予防法の2類相当から5類(あるいは相当)への変更のタイミングを政府は見計らっている状況と考えられます。

 

コロナ旋風が立ち去った後、以前のような生活がすぐ復帰するとは考えられません。アフターコロナを待っていると更に先になりそうです。With COVID-19 virusウィズコロナウイルスが基本となる生活が安全に過ごせるようにならないといけません。そのためにも、安全で有効なお薬が安価で安定的に供給されないといけません。診断に必要な検査キットの安定的供給と内服したら3日後には、出勤していいよ、と言われるような体制がとれれば皆安心して生活が出来ます。

 

さて、中国労災病院も昨年大きく変化あるいは進展したことがありました。一つは、労災病院の本来の使命である、勤労者の健康と福祉を前面に出した、基本理念の改訂です。「働く人」のため、を最初に記載しました。それから、病院自体のロゴマークを制定したことです。それまで機構のロゴマークはありましたが、独自のものはありませんでした。広報誌やHPに掲載しておりますので、どうぞご確認下さい。本院の診療の3本柱の一つに高度先進治療の推進があります。呉医療圏で初めての、そして広島県で広島大学病院に次いで二番目の、純国産内視鏡手術支援ロボットhinotori™を導入し、まずは泌尿器科領域から着実に実践してます。消化器外科、婦人科領域の疾患も保険収載がされましたので、順次消化器腫瘍や婦人科腫瘍の低侵襲な手術が当院で可能になってきます。もう一つは、総合実習・研修センターの設立です。救急外来横に旧棟を改修し一部はシミュレーション研修もできるスキルスラボを含んだセンターの改修工事が始まりました。我々の保健福祉医療の世界は最終的には、優れた次世代の医療関係者を世に送り出す使命を持っております。医療系の大学から多くの学生の実習を受け入れ対応していますが、国家試験合格後はそれぞれの領域の研修を当院で行っています。学生時代から専門的職能人になった後もシームレスに生涯教育に関わることができるように致しました。

 

令和も早5年です。近年、毎年のように繰り返される自然災害やこの3年間の感染症の世界的流行など、決して明るい話題ばかりではありません。しかし、その一方でワールドカップでの快挙や日本独自の月面探査の開始など、明るい話題も出ています。結局、最後はヒト、人材です。将来ある若い方々が少しでも前向きに歩める社会に私たちも協力して医療福祉保健の方面からアプローチしていきたいと思っています。

令和5年が、皆様にとって健康で、平和で、そして輝かしい一年になりますことを祈念申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。今年一年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

(独)労働者健康安全機構 中国労災病院長 栗栖 薫

 

お知らせ一覧に戻る

ページ上部へ