新型コロナウィルスの流行によりテレビなどで紹介された、ネーザルハイフローですがどんなものかご存じでしょうか？

ネーザルハイフローは商品名で、高流量鼻カニュラ酸素療法というのが治療の名前です。

「酸素濃度と湿度の高いあたたかい風を鼻につけたチューブから勢い良く送る」という治療になります。鼻につけるチューブ(カニュラ)は多量の酸素を送るため、太く大きいですが、鼻だけにつけるので食事や会話もネーザルハイフローをつけたまますることができます。

勢いよく酸素を送り込むことで肺が少し膨らみやすくなったり、湿度の高いあたたかい風によって痰を出しやすくすることで、酸素を取り込みにくくなった肺を補助してあげることができます。

ネーザルハイフローによって肺の補助を行いながら、病気に対する様々な治療を現場では行っています。

新型コロナウィルスの治療に限らず、さまざまな場面で呼吸の補助として使われています。気管に直接管を入れて人工呼吸器につなぐ治療よりも身体への負担が少なくて済みますが、より重症の患者さんにとっては充分な治療となりません。つまり、重症に近い中等症の患者さんが対象となります。

我々臨床工学技士は、ネーザルハイフローによる治療を安全に行うために管理・点検を行っています。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（中央臨床工学部）

《写真：Fisher&Paykel Healthcare より》