今、政府が掲げる「働き方改革」の中で、「○○と仕事の両立支援」というものがありますが、ご存知でしたか？　○○の中には、「子育て」「介護」「治療」が入ります。

労災病院はこの中でも特に「治療と仕事の両立支援」に力を注いでいます。

「病気になっても働かされるの？」というのは誤解です。医療の進歩とともに「がん」や「脳卒中」になっても死亡率は大きく低下しました。治療も外来で受けられる事が多くなっています。

そんな中で病気を抱えながらも、働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由に治療機会を逃すことがないように、また、治療の必要性を理由として仕事の継続が妨げられることがないように、適切な治療を受けながら、生き生きと仕事が続けられるように支援しましょうというものです。

もちろん仕事を継続するためには、医療だけが努力しても限界があります。労働者を雇い入れている事業場にも両立支援のための配慮が求められます。

これについては、平成28年2月に厚生労働省が「事業所における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を公表しました。

「元気な強いものだけが働ける」「無事これ名馬」といった考え方は「バテるから運動中に水を飲むな」といったかつての誤った常識に通じるものがあります。

多種多様な人々が働けることを前提に「では、どうすれば働くことができるのか」と前向きに考えることで少しずつでも変えられると思いますし、それこそが「働き方改革」なのではないでしょうか。